庭の掃除をしていると、笹の間から大きな実が転がり出た。マツボックリとは形が違う。多少長めのラグビーボール型とでもいえばよいだろうか。クリスマスツリーから成長したモミの木がそばにあるので、モミの実に違いない。
モミの実をなんて呼ぶのか?インターネットでの検索によるとモミボックリと言うらしい。些細なことだけれど、ちょっとしたものを何と呼ぶのか思い出せないことが多い。例えば、大黒様の歌がある。その中で因幡の白ウサギが皮をむかれて赤裸になり痛がっている時に、大黒様が通りかかり、「きれいな水で身を洗い、がまの○○○にくるまれとよくよく教えてやりました」と歌われている。
何気なく歌ってみると、○○○の部分が思い出せない。がまの穂についているソーセージ型の実についているふわふわした毛のことをいっているんだと想像はつく。あれをなんと表現するのだろう。…………「穂綿」といわれているらしい。
「日本学術会議の分科会は9月29日日、高校生物で学習する重要用語を、現在の約4分の1の512語に減らすべきだとする指針を公表した。生物が「暗記科目」になっている弊害を解消し、思考力中心の学習にしたい狙いがある。」とテレビや新聞各紙は報道している。
私は生物が暗記科目だとは今まで思ったことがない。生活の周りの不思議を解き明かしていくと自然に生物学になった。学校で習った中ではDNAの構造が二重らせん構造であることを忘れることはないだろう。発見したワトソン、クリック両博士の業績を高く評価していた生物の教師が熱を込めて講義してくださったからだ。遺伝のメカニズムを分かったあの瞬間に“閃光”が走った。今回の重要用語削減案で、ノーベル賞受賞者の名前(ワトソン、クリック博士や山中博士などの名前)も削減される。少しさびしい。
生活に無縁なことはどんどん忘れるように頭の引き出しはできているらしいので、忘れたら生活に密着していない事だったと考えればよいのかもしれない。
モミボックリや穂綿は生活のスマート化には通じないが、語感は生活の潤いになる。(C)
10月 23rd, 2017 at 12:59 PM
「マツボックリ」の「モミの木」版なのですね。初めて聞きました。ひょっとすると他にも「〇〇ボックリ」があるのかもしれません。
生物や物理、地学などは、取っ付き難いかもしれませんが、身近に起こる現象に照らし合わせていけば自然と興味が湧いてくるかもしれませんね。