「見舞い」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「見舞い」

 友人三人と○○○○と呼ばれる病院に見舞いに行った。2年前には元気いっぱいだった彼が入院しているとは見舞いする側の我々も大変驚いている。

 

 入院している友人A は今回見舞いに行った友人B とは同じ大学出身で二人とも海外で活躍していたので気心が分かっている。見舞いに行ったもう一人の友人Cは小さいころから友人Aとはスポーツ仲間であった。AもCもともに運動神経が飛びぬけていいのだ。私は海外で過ごした時に、A から随分“How to live”術を教えてもらった。兄弟のように気楽に話せる間柄だと勝手に私は思っている。

 

 3人3様のバックグラウンドをもってAと話をしているので、時々話が飛んだりしてしまい友人Aは混乱したことだろう。それでも、友人Aは尽きない話題を楽しんでいる様子だった。誰もが、……昔の通りに……と思っている。

 

 実はこの4人は小学校の仲間である。手作りの相撲番付が教室には貼ってあったし、野球や、サッカーなどの球技も盛んだった。学校全体もスポーツには前向きで、校内校野球大会ではホームランでガラスが割れるのは黙認されていたぐらいだ。学校がエネルギー発散の機会を生徒に与えてくれていたことに感謝している。

 

 病院から帰る車中で、見舞いという状況での懐かしい昔話を反芻すると心の中のギャップで落ち着けない。整合しないアンマッチな空気が自分の頭を取り巻いている。この空気はどこか不自然だ?……“楽しい”小学校時代を思い出したけれども、私の記憶の中では、とげとげしい思い出は丸く削られ、ありきたりの思い出は装飾されて煌びやかに変化していることに気が付いた。小学校時代というのは眩しく、生命力あふれていた時期だったと思っている。本当は小学校時代にも悩みは多かった。時間が経った今、自分の都合の良い部分だけを“つまみ食い”して、自分の思い出を作り上げているようなのだ。

 

 LCA(ライフサイクルアセスメント)ではサイト採取データの良いところ取り、データの“つまみ食い”は解析結果を歪めてしまうかもしれないと注意されている。“つまみ食い”は行儀のよいことではない。

 

 これからは“つまみ食い”しなくても満足できる思い出を作っていきたい。(A)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    小学校から続いているお仲間なんですね。海外で活躍され、運動神経もずば抜けている、本当に素敵なご友人なのですね。羨ましいです。

    確かに過去を振り返ると、良い思い出が優先して蘇ってくるような気がします。人間は良くできているのでしょうね。嫌な思い出に支配しないよう自己防衛が働くのかもしれませんね。

    早くご友人の方が復帰できるよう祈っております。

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