「大水青」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「大水青」

 夏休みに庭の草刈りをしていて、珍しい蛾を見つけた。“センリョウ”の葉先に青白い紙のようなものがぶら下がっていた。10センチ以上ある大きな蛾だ。

 

 それは気品すらある。透明感のある淡い青みがかった羽が神秘的な蛾で、強引に追い払うのもはばかられた。熊手で蛾のそばの空気を乱してみたけれど、逃げる気配がないし、身を隠すなどの防御姿勢を取ろうともしない。

 

 コンピューターで“白い蛾”を検索してみた。これは“オオミズアオ”という蛾であることが分かった。成虫は口が退化していることもあり、物を食べたり飲んだりすることはない。……ということは、幼虫時代に蓄えた養分だけで生き延び、生殖して一生を終るということだ。「なんだか……、飲まず食わずで過ごして、パートナーを探す生涯ってつらい定めだ……」。

 

 夕方になるまで蛾はとどまっていた。小石川植物園で「ハンカチの木」というのを見たことがあるが、その景色に似ている。まるで一枚のハンカチが枝から下がっているようにも見える。「このまま夜を迎えるのだけれど、後は知らないぞ。……こんなに目立つところに青白い羽を垂らしていては、鳥にすぐ見つかってしまうぞ。明日の朝はムクドリが来るからね。分かっているネ!」

 

 それにしても立派な樹状の触角を2本持っている蛾だ。仲間同士で連絡し合うためのアンテナなのだろうか?

 

 最近、われわれ人間も仲間と情報交換し続けないと社会のテンポに遅れるという不安があるらしい。多くの人はスマホという触角を持ち歩いていて、特に、電車の中でスマホ画面に夢中な人が多い。普通に暮らすにも新情報なしでは暮らせない時代になってきた。

 

 情報処理システムやそれを支えるインフラでは大量のエネルギーが使われているとも聞いている。地球の環境を守るために、温暖化対策と共にこれからはエネルギーのマネージメントも大切かも知れない。

 

 ムクドリの襲来に備えて今から準備をした方がよい。(L)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    peasia様の、例の自然豊かなお庭の話ですね。

    蛾にも、いろんな種類がいるのでしょうね。立派な触覚が2本あるとのこと、生物の構成物に無駄なものはない、無駄な機能はない、という話もありますので、何等かの重要な役割があるのでしょうね。

    また豊かな自然に恵まれたお庭の話をお聞かせ下さい。

コメントをどうぞ