「縄文式土器」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「縄文式土器」

 先日小学校のクラス会に参加した。卒業してから数十年経っている。思い出話に花が咲いていたが、面白いことに気が付いた。皆が見た共通の懐かしい記憶が消えていないことだった。私も覚えている。

 

 それは東京郊外で畑作業や稲作の経験ができる田園地帯の学校管理地内でのことだった。昔のことなのでうる覚えだ。一列で移動している時だった。先を歩いておられた先生が何かを発見されたのだ。「これは土器ではないか?」。小山の切通のようなところだっただろうか、土器らしい顔が土の表面から出ていた。

 

 回りの土をのけていくにつれ、意外と大きな深い鉢のようなものが出てこようとしている。先生も事の重大さに驚かれ、他の先生方に応援を求め、慎重に掘りだしたのだった。

 

 夕方ゴザを敷いた広間で土器を見学させてもらった。記憶が定かでないが、なにか無骨な感じの容器だったし、粘土を盛り上げた模様もついていたような記憶があり、そして複雑な飾りだったようにも思う。つまり、縄文土器だと思いこんで見ていた。

 

 小学生だった我々は、触ることすら許されなかったし、遠くから見ていただけだけれど、みんな興味を持っていたようなのだ。この土器の発見は自分の手柄ではないので、誰もはしゃぐ者はいなかったが、何と言っても土から出たてのほぼ無傷の土器だったので、顔がほてるような昂揚感があった。土器を掘り出した地点を自分たちも歩いたという経験が宝物のようだった。クラス全員が同じ空気を吸っていたのだ。

 

 「あの土器はどこに行ったのだろう」……だれも知らない。「本当のことを言うと、あの土器、欲しかったな」……誰もが思っていたに違いない。

 

 本物に接することがインパクトあるということをあらためて思う。LCA(ライフサイクルアセスメント)では 時代を経た価値は解析できないけれど、私が本物として愛用するLCAソフトウェアGaBiを使って製品などの本質にアプローチしていただきたい。

 

 縄文土器発掘の感激と同じような感激を……LCA解析でもお届けしたいと思う。(C)

 

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    数十年前の小学校時代の思い出を、いまだに皆さんで共有しているとは素敵なことですね。それだけ「土器の出現」はインパクトの大きかったことなのでしょう。

    私は残念ながら、そのようなインパクトの強烈な小学校時代の思い出はありませんが、漠然とですが、良い時代だったなぁと思います。

    木造の校舎、運動会前日におばあさんと必ず採りにいった柿、など田舎の思い出がよみがえってきます。

    時代は大きく変わりましたが、この思い出はいつまでも大切にしたいと思います。

コメントをどうぞ