12月初旬、夏には日陰を作ってくれた街路樹の銀杏が黄色くなってきれいだった。ビルの3階から眺めると銀杏の葉が散らばっている歩道の景色も非日常的だった。
街を外国人の観光客が2台の路上ゴーカートで通りかかる。先を行く人がカートを銀杏の傍らに止めた。二人は黄色い背景をバックに記念写真を撮っている。
今年「君の名は。」というアニメが大変な人気で、海外でも人気だという。私はそのアニメ映画を見ていないけれど、テレビの紹介などで画面のほんの一部を見た。このアニメーターは光と影をうまく使うことで評価が高い。確かに画面がキラキラ輝いているように見えた。私の印象だけれど、日本の都会や郊外の風景が実物よりもはるかにきれいに描かれているように思う。実際のシーンを参考にして、実物を超える物語空間を創造してくれているのだと思う。
私は旅をしても、人の生活が感じられるような街並みが好きだ。ヨーロッパの曲がりくねった路地や坂道があるオールドタウンなど、普通の風景に浸るのが好きなのだ。住人や通行人はありきたりの景色と思っているけれど、観光客としては見るもの聞くもの全てが刺激的なのでただひたすら歩き続ける。思いがけずローカルな会話や音楽が流れて来るとなお嬉しい。それは自分の物語空間に浸っているからだ。
日本のアニメの背景画は大変きれいで、どんなシーンでも細かく描き込まれていている。季節の移り変わりで街路樹の美しさは一変するし、時の流れに従って日の当たり方も変わる。しかし、アニメではその中から印象的な画面構成を提供してくれている。
L CA(ライフサイクルアセスメント)では、ある一定期間のデータを蓄積して使うことが多い。LCAでは何か突出した異常事態は歓迎しない。大変な量のデータを扱いつつ、非日常の現象に解析結果が惑わされないための配慮が必要だ。感性の世界であるアニメの背景画と科学的知見を追求するLCAとの違いなのだ。
アニメのおかげで日本の街がきれいに見えた今年だったんじゃあないか…。(L)
12月 26th, 2016 at 8:35 AM
私は年齢ということもあり、残念ながらアニメを見る機会はありません。子供の頃には「巨人の星」などよく見たのですが。
日本のアニメ技術は世界中で高い評価を受けていることはよく耳にしますが、最新のアニメを映画館で見ると、繊細でとてもきれなのでしょうね。
赤に黄色と日本の晩秋~初冬は色とりどりできれいですね。この自然をいつまでも大切にしていきたいですね。