「AIがノーベル賞受賞」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「AIがノーベル賞受賞」

 AI(人工知能)の可能性を検証する実験が世界中で進んでいる。AI自身にノーベル賞を受賞させようという動きすらあるそうだ。AIがノーベル賞を受賞するということは人間の知的活動の牙城をAIに譲るということだから、ショックだ。

 

 大量の論文やデータを読み込んで、蓄積された知見から推論して仮説を作るのだろうか?それが当たり前となった時、人間の存在価値があるのか、悩みは大きい。

 

 私が感覚的に恐れているのは「AIが達成したある業績を人間語で説明してもらえないのではないだろうか」という点だ。人間社会で役に立つ技術や手順、判断手法が生まれた場合、発明者であるAIは一般の人にも分かるレベルで説明してほしい。AIの思考過程がブラックボックスとなることが不安なのだ。

 

 LCA(ライフサイクルアセスメント)では現場からデータを採取するのが原則である。だから根拠のはっきりしない推測データを流用することはない。しかも現場の状況をモデル化するので、解析のベースモデルが明確で、透明性がある。LCAソフトウェアーはソフトを使う解析者のデータ検索・整理等の負担を少なくするお手伝いはするけれど、人工知能ではないので、解析者の判断や見識は不可欠である。

 

 東大の合格を目指している人工知能(AI)の“東ロボ君”開発プロジェクトがここ数年話題になってきた。AIの活用領域を拡大するという試みの一環だ。模擬入試問題に挑戦して、膨大な情報から答えを見つける技術はクリアできたが、複数の文章を総合的に理解して回答するのが難しかったようだ。学力はほぼ横ばいであるため、プロジェクトは中断された。

 

 人間社会で認められるためには、“知識だけではなく、話の流れを汲みとる能力、人間の心と通じ合える表現と行動”が必要なのかも知れない。そうだと思う……などと、AIより能力の落ちる私は悟ったようなふりをしている。人間は言葉を濁してその場を過ごすことができるが、AIはきっと真面目に答えを見つけることばかりを考えるのだろう。

 

 AI社会というのは気楽にすごせるのだろうか。(C)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    「AI自身にノーベル賞を受賞させようという動きすらあるそうだ」そんな話まで出てきているのですね。驚きです。

    いずれは、その場の空気を読んだり、わざと嘘をついて状況を好転させる等の高度な処理まで、できるようになるのでしょうか。

    AIに気を遣って頂くのは、何とも異様な感じがします。
    「AI社会というのは気楽にすごせるのだろうか。」まさに、おっしゃる通りですね。

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