「快音」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「快音」

 東横線の駅の発車音がディズニー音楽の頭部分が使われている。いつもと違う。車内アナウンスでは「ディズニーキャラクターを楽しめる子供向けのスタンプラリーを実施している」と告げている。そういえば、親に連れられた子供たちが駅の改札口の付近に並んでいた。

 

 音によるサインや音声案内などの色々な音が溢れているが、耳の機能が衰えてきたのだろうか、最近音が聞き取りにくくなった。友人の話の語尾がぼけてしまったり、テレビドラマでキーとなるフレーズがクリアーではない。そんな具合で最近、普段の生活でも音への関心が高くなっている。

 

 先日、電気駆動のハイブリッド車に試乗した。モーター駆動だけれど、ガソリン車の運転に慣れている私にとっても何の違和感も不足感もない。特に印象的だったのは驚くばかりの発車時の静粛性だ。高速への加速、低速への減速もスムーズだった。かつて、変速ギアをドライバーがシフトする車を愛用していた。変速ギアを変えるたびにエンジン音が変わり、そしてエンジンが回転数を上げていく。それはそれなりにドライブ感覚があって楽しかった。エンジン音で運転の巧拙が分かるので、人を乗せている場合は、いかに合理的な変速をしているかをアッピールする手段でもあった。下り坂ではエンジンブレーキを効かせるとエンジン音が気持ちよく音色を変える。カーブから直線に戻る時には最初は確実な加速を心掛け、そして高速走行へという具合にギアを高速側にだんだん上げていく。カチカチッ。シフト音とエンジン音が快適であった……なあ!

 

 人間・機械(乗り物)系では、機械側からの音による信号伝達も極めて大切だ。視覚障碍者が静かなEVやハイブリッド車の接近が認知しにくいことを配慮して車両接近通報装置が考えられたが、ドライバーに対しても運転の楽しみを体感する仕組みが音でできないものだろうか。

 

 スピードメーターをみなくても、車がドライバーの意志を見事にトレースしてくれている安心感とか、車両のスピードや加減速を同乗者も、快適な音で体感できるシステムがあるといいと思う。

 

 彫刻刀が版木をサクッと削る音が気持ち良い。快音エンジニアリング時代歓迎。(L)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    ひょっとしてノートのe-POWERに試乗されたのでしょうか。最近よく試乗車をみかけます。基本、電気自動車なので静粛性はバツグンなのでしょうね。

    ただドライバーとしては、ガソリン車の官能的な音も忘れられません。私も免許を取得して27年間マニュアル車を運転していましたので、減速時のエンジン音の高鳴りが好きでした。

    電気自動車であっても加速時・減速時と状況に応じた音色が欲しいですね。

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