「ロボ調査応援」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「ロボ調査応援」

 福島第一原子力発電所で来年1月から、原子炉1号機から3号機までのロボット調査が再開されるらしい。「サソリ型」「ワカサギ釣り型」「金魚型」などのロボットだ。溶け落ちた核燃料「デブリ」の所在を少しずつあきらかにしてくれるだろうか?

 

 ロボットというと、人工知能をいかに活用するかという話題が多くなっている。しかし、自ら移動して情報を得、判断し作業するような未来の鉄腕アトムに通じるロボットはなかなか実用域に達していないように思う。

 

 人間の身体、虫のメカニズム、動物の動きなどをメカニカルに実現することが難しい。今、ロボット部品で都合よく使えるのは目と耳と口の機能ぐらいかもしれない。

 

 機械の設計に携わったことがあるので、福島第一原子力発電所の廃炉に注目している。「物を作った人間は正しい手順で壊れたブツを分解し撤去して平地に戻す責任がある」と思っている。そして、元に戻すためには現状を見ることが最も大切だと教わってきた。

 

 現場は放射線が高いので人が近づけない。本当の現場に近づけるのはロボット以外にない。今までロボット調査は何回か試みられた。しかし、ロボットとしても周囲からの期待がプレッシャーになっているのか、ティーグランドには立ってみたものの球の飛距離が十分でない。クラブのテークバックが悪いのか球の方向性が定まらない。グリーンに乗ってもパーでホールアウトすることができないでいる。

 

 米国のスリーマイル島原発では入念な状況把握調査を下敷きにして、デブリを取り出した。現状を色々な角度から調査し続ければ打開策も見つかるかもしれない。

 

 このような稀有な状況でも段取り正しく、回復に歩を進める経験は貴重なものだと思う。ステップごとに記録を正確に残すためにも、炉の内部を探るロボットの開発を加速して欲しい。現実を確認できるロボット調査に期待している。一歩ずつ前進してください。

 

 不幸で愚かな事故であっても、真実を記録して学び、考えることが大切だと思う。(C)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    AI、IoTとこの分野の進化は目覚ましいものがありますが、ご指摘のとおり「人間の動きをメカニカルに実現するのは難しい」のでしょうね。

    逆に言うと「人間の動作がどれだけ優れているのか」というここになります。アクチュエーターだけでなくセンサーでもそうですよね。

    「自動運転」に向け取り組みが進められていますが、こちらは、人間と同等のセンシングを実現できるのか、これが重要なポイントでしょうか。

    いずれにしても人と機械が、各々の得意な能力を生かして共生できると良いですね。

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