「佐藤卯吉校長」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「佐藤卯吉校長」

 新選組の最強剣士の一人と言われた斉藤一の肖像写真が見つかったという。確か大河ドラマの中にも登場し、会津藩と共に戦い、敗れた後、転封された会津藩とともに斗南藩に移り住んでいる。明治維新後警視庁の警察官となり、西南戦争に従軍したとか…。

  邪念のない眼差しの斉藤一の写真を見ていて剣道範士九段佐藤卯吉先生を思い出した。私が身近に知っている数少ない剣道の高段者だ。佐藤先生は高等師範学校を卒業後母校の主任教授になられ、学芸大学教授になられた。後に、私が通学していた小学校の校長になられた。

 

 小柄で、温和な方であった。話し方も落ち着いていて小学生だった私は素直に話を伺っていた。澄んだ優しい眼差しが印象的な校長先生だった。

 

 自宅にあった分厚い百科事典で剣道の項を見たことがある。1ページを使って佐藤卯吉先生の何種類かの構えが紹介されていた。凛々しく剣先越しに相手を見据える構え。背筋の伸びた袴姿の姿勢。小学校の先生方から有名な剣道家だと聞いたけれど、佐藤先生自ら小学生に剣道の話をされた記憶はない。

 

 先生は高齢になられても道場で稽古を付けておられたという。日常の鍛錬をおろそかにしない方だったのだ。小学校の臨海学校に校長先生が参加されたとき、早朝、松林の中で木刀の素振りをして体を鍛えておられるのを見たことがある。遠目ながら、なにか剣豪小説の世界のようだった。私は“道を究める人の日常”を見たような気がしたものだ。その時の印象は自分の記憶の中で大げさに脚色され、今も残っている。

 

 剣道範士佐藤卯吉先生曰く「日常生活を正すことが永遠性のある剣道を把握するための重要な条件であるということができよう」。

 

 環境問題を解決したいと思う人は「日常生活から環境を心掛けていなければ、いきなり地球環境問題や企業の環境保護への取り組みを論じることはできない」というのに通じるのではないかと考えている。

 

 日常生活を正す。(A)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    何事も日頃から心掛けていないと、急に問題を解決したり、急に強くなったり、できないですよね。おっしゃるとおりと思います。

    私も小学校時代は近所の神社で、また中学校時代は学校のクラブ活動で剣道を習っておりましたが、その後も続けておけば、「何事も日頃から心掛ける」習慣がついたのでしょうか。

    これからでも目標や課題を設定して「日頃から心掛ける習慣」を、それこそ‘心掛けたい’と思います。

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