「羽田発着」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「羽田発着」

 品川駅の上を飛ぶジェット機の機影に“アート”を感じているが、騒音や落下物を心配する声も依然ある。そこで、国土交通省は東京上空からの着陸を増やすのではなく、新たな飛行システムを導入し、海上からの発着を増やす方向で検討することになった。

 

 民間の航空機は、地上に設置された無線標識などの電波によって位置を確認できる電波航路内を航行するのが一般的だ。だから。着陸する旅客機を見ていると、空に線路を引いたように、同じ経路を飛んでくることが分かる。

 

 ただし、これに合わせるためには、到着経路から航空機の進行方向を滑走路の延長線上になるように旋回し、相当の距離を直進してから滑走路に進入する必要がある。……ということだ。パイロットの判断で着陸するというよりも、いかに自動着陸のルートに正確に合わせるかが腕なのかもしれない。

 

 今後、飛行ルールの見直しや飛行システムの改良を進め、海上を通る新ルートを設ける。新たに採用される着陸のための飛行システムでは地上設備からの電波ではなく、GPSの信号を使うことを考えているようだ。

 

 車もGPSで精度よく位置の確認ができる時代であり、かつての軍事技術が民間航空機にも利用される。ドイツなど世界17カ国以上が導入している“経路が常に維持されていることを監視する航法”「RNP-AR」(Required Navigation Performance)がシステム改良時の候補となる。「‐AR」の意味は、滑走路に進入する際の航法として採用する上で、機体装置や乗務員訓練などについて、国からの特別な許可を必要(Authorization Required)とする方式であることを示す。……複雑なシステムになりそうな気配がする。

 

 最近、普通の生活にいろいろな仕組みやシステムが飛び込んできて、不具合も起き、あたふたしている。テレビにB-CASカードが入っていないなどと表示され、突然画面が消えてしまったりする。何か身の回りの複雑なシステムが疲労骨折を起こしているようだ。

 

 羽田の着陸の件、疲労骨折のない安全な航法を選んでください。(L)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    昔なら家電の調子が悪くなれば「叩いて直す」ようなこともあったかもしれませんが、今では、デジタルやAIで勝手に手をだせなかったり、ご指摘のとおりカードが格納されていないだけで全く作動しないなど、誰でも使いやすい反面、トラブルが発生したら素人では対応できない状況となっていますね。
    表向きはシンプルでも中身は複雑、そんな物やシステムがますます増えていくのでしょうね。どうか「疲労骨折」が起こらないことを願っています。

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