「誤差20センチ」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「誤差20センチ」

 日本版GPSシステム、準天頂衛星「みちびき」を使い、東日本高速道路(NEXCO東日本)は雪で路面や前方が視認しにくい場合でも除雪車の自動運転を始める。カメラなしで地球測位システムだけで誤差20センチ未満で除雪車が自動走行する。

 

 23年度に北海道の岩見沢-美唄のインターチェンジ(IC)間での運用開始が目標だ。

 

 準天頂衛星は現在4基が稼働しているが、23年度から7基体制になるという。そうなると、位置情報の誤差はますます小さくなり、数センチの誤差に入るのが当たり前という時代になる。

 

 大谷がホームランを打つときは飛んでくる球の位置を数ミリ単位でとらえているに違いない。ホームランの気持ちよい残像が記憶に残る…バットとボールのインパクト位置の正確さに秘密がありそうだ。準天頂衛星での地上位置数センチの誤差は大谷のホームランに匹敵する精度かもしれない。

 

 衛星が増えればますます精度は向上する。誤差を数センチに抑えられる信号の受信装置は、従来約100万円と高価だったが、現在は半分の50万円以下の製品も登場しているという。

 

 いろいろな試行や実証試験は行われている。果樹園での草刈システム、「プレジャーボート」の運行や離着岸のドローンの運行、自動車の自動運転支援、車いすやキックボードでの活用などに利用できないかと実験されているのだ。

 

 位置情報精度向上と環境保護とのマッチングはあるだろうか?……まずは自動車の自動運転だ。山間部の小さなコミュニティーでも自動走行EVカーが隅々までカバーしているような社会が実現したらどんなにいいだろうか。日本の複雑な地形を克服して自動運転が可能になるということだ。次は農作業の改善だ。畑や田んぼでの農作業の機械化だろうか。

 

 複数の衛星からの電波を総合的に利用するのだと推測するので、3次元的な位置情報も把握できるかもしれない。視覚情報による位置情報との大きな有意差にならないだろうか。

 

 上空から鋭角に届く複数の電波、「みちびき」の位置情報を育てていきたい。(L)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    GPSの進歩は目覚ましいですね。確か1990年代半ば位にナビが登場した時には確かジャイロ方式併用だったと思いますが、走行中の位置のずれが大きかったのを覚えています。まだまだだな!との印象を持ちました。

    あれから25年以上が過ぎ、主に衛星の進化により精度が格段と向上しましたね。みちびきは、ドローンとの連動など様々な活用に進展しており、今後が楽しみです。科学技術はみちびきに導かれて益々発展していくのですね。

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