「逆開発」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「逆開発」

 国道16号線周辺に「逆開発」の事例があるという。江戸期に完成した三富新田という農村時代の風景を参考に「三富今昔村」ができたのだ。

 

 これは産業廃棄物処理とリサイクルの会社である石坂産業が作っているものだ。地域に愛されるために、社長は周辺の地主からも土地を借り、今昔村を拡大していく。単純に言えば、ヒトが生活や産業のために破壊してきた自然を、再び人手で自然に戻す開発だ。

 

 “自然”はある意味サーキュラーエコノミーのルールに乗っ取った営みを行う。落ち葉を地面におとし、微生物や小動物の助けを借りながらコンポスト、土に循環する。よくテレビででも紹介されるが、山で落ち葉が朽ち果て、土に同化し、雨で土に含まれる養分が川に注ぎ、海へそそぐ河口では漁業を振興させている。人間の手は入らずとも資源の循環が実現されている。

 

 子供の頃、冬場、麦踏を手伝わされた。せっかく芽を伸ばしている麦を踏みつけるというのは麦に意地悪をしているようで心が痛んだものだ。畑の盛り土の上で麦をぺしゃんこに踏みつぶすイメージだ。

 

 麦は4~5日で立ち上がり、その結果、数本の新芽がこの麦踏のおかげで数十本の分けつ茎に育ち収穫量が増える。 根元から新芽が伸びて枝分かれするのだ。この麦踏は麦が大きく伸びすぎるのを防ぎ、根が霜で持ち上がることも防ぐ。 このように、自然のルールをうまく利用すると思わぬ福が訪れる。……ことを学んだ。

 

 資源を循環させることに反対する人はいない。しかし、これからは貴金属触媒を使い、高温・高圧で行うのではなく、もっと簡単に資源循環ができないだろうか。もっと低コストで素材が生まれないだろうか。

 

 京大などが大気中の二酸化炭素CO₂から新たな多孔性材料を作る技術を開発した。新材料は大気中のCO₂を取り込む技術として温暖化対策に期待されている。CO₂をもってCO₂を回収するのだ。

 

 力づくのリサイクルの時代から、もっと賢い、平易な資源循環の時代を待っている。(C)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    リサイクルは地球温暖化防止の切り札ですね。これを如何に活用できるかに人類の存亡がかかっていると言っても過言ではないかもしれませんね。

    「逆開発」ですか、初めて聞いた言葉ですが、「ヒトが生活や産業のために破壊してきた自然を、再び人手で自然に戻す開発」大きなロマンを感じますね。素晴らしいと思います。

    「生活や産業のために開発すべきところ」と「再び自然に戻す逆開発すべきところ」を上手くバランスを取って人類の発展と地球を労わることを両立できれば良いですね。

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