「デフォルトモード」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「デフォルトモード」

 電車ではぼんやりと景色を眺めている。あるいは何気なく天井近くの広告を見ている。乗客の大部分はスマホ画面をいじっている。あるいは、本や参考書を読んでいる。高校生なら英語の暗記をしている。イヤホーンで音楽を楽しんでいる人もいる。

 

 眼が乱視気味であり、電車の中で真剣に文字を追う気にならない。音楽も電車の中で聞く気にならない。ただ電車に乗って移動しているだけのデフォルトモードなのだ。だから知人に偶然会ったりすると、正常な思考常態に戻るのにしばらく時間がかかる。

 

 デフォルトモード、つまりボンヤリ状態は通常の思考モードに比べ、それほどエネルギーの節約にならず、場合によってはデフォルトモードの方がエネルギーを使うという説まである。自分の体力温存・省エネへの思惑と多少違っているのでドギマギしている。

 

 脳内のデフォルトモードネットワークでは記憶に関わる複数の脳領域が活性化しているという。(自分で納得するために)勝手な解釈をすれば、デフォルトモードネットワークは思考に使う脳の部分を補足する連絡網の補助的な役目とか、コンピューターにおけるクラウド上のアシストソフトのような位置づけなのではないかと思っている。デフォルト状態で過ごすということは、思考回路の脳内ネットのインフラ整備を行っているのだ。

 

 脳内のことゆえ、どんな理屈をつけても自分で何かできるものでもない。ただ、デフォルト状態でいると思わぬアイデアがわいてくることがあるという。…確かにあります。これは…デフォルト状態でいることへのご褒美としていただくことにしている。いくらコンピューターで探っても出て来ない友人や芸能人の名前を電車の中で思い出すこともあるし…。

 

 今日やらなければいけない銀行振込を突然思い出して救われることもある。来週のスケジュールが突然浮かんできて再度スケジュールを頭の中で編成替えしなくてはならない場合もある。

 

 色々な雑念・雑情報が交錯するのは好きだ。どんな情報も交通整理すればいいのだ。デフォルトモードで顔を出す雑念はランダムに湧き出る聖水と考えることにしている。

 

 リラックス状態の脳内にはデフォルトモードネットワークという呼称が付いている。(A)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    「デフォルトモード、つまりボンヤリ状態は通常の思考モードに比べ、それほどエネルギーの節約にならず・・・」そうなんですね。省エネになっていると思っておりましたが、ぼんやりしている時でも、いろんな思いが巡り、いろんなことを考えてしまいますから、それなりにエネルギーを消費することになるのですね。

    確かにデフォルト状態の時に、ふと良いアイデアが浮かぶことがあります。私の場合、仕事での問題や悩みの解決策に係るアイデアが多いです。ですので引退すると、デフォルト時にアイデアが浮かぶことも減ってしまうかもしれません。適度に問題や課題をかかえるのは良い効果があるのかもしれません。あくまでも「適度に」ということでしょうけれど。

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