量子コンピューターへの期待が増してきている。量子技術の開発・導入が広く求められているのだ。量子論というのは学問上の命題かと思いきや、確実に存在し、常識を飛び越える技術へと変身しようとしている。
コンピューターの処理能力は「ムーアの法則」つまり「18ケ月で2倍になる」に支配されてきた。いつこの法則は崩れるだろうかと心配してきたのも数年前のこと。ところが、地球上の必要とされる演算資源の伸びが急激で、「ムーアの法則」に沿ったコンピューティング概念では処理が追い付かなくなっている。新機能を実現する素材開発、安全性の高い通信システムを実現する量子暗号など、教科書に未だ記されていない未来があふれているようだ。
頭が柔軟で量子が常識的に理解できる、そして創造力にたけた人材も必要になる。だから、量子技術を扱う大学や企業、官庁は「量子ネーティブ」の育成に力を入れ始めている。これからの世の中を支える高校生、大学生など次世代の「量子ネーティブ」だ。
「量子ネーティブ」には「ハード・ソフトウェアの開発」「量子技術基礎研究」「実用化に向けた市場・事業開発」の分野で、将来、頭角を現してほしい。
市場・事業化という分野が量子技術を待ち構えている。金融、製造、調達、化学、流通、生命科学などまだまだ掘り下げが浅い分野は量子技術の活躍の場だ。実はスーパーコンピューターも量子コンピューターのライバルとしてこれらの分野で勢力を伸ばしている。
量子技術の活用される社会でも大きく世の中の姿が変わるとも思えないが、おそらく時間がものすごく節約され、余分な検討、チェックが不要になるような気がするのだ。
浦島太郎は時間を詰め込んだ玉手箱を乙姫様からお土産に頂戴した。時間を圧縮する特殊テクノロジーである玉手箱。浦島太郎は経験したであろう時間をパスして、未来の社会に生還した。浦島太郎が過去の思い入れを忘れて未来に向かって一歩踏み出せばよいものを、玉手箱を開けてしまったので、結局時間の缶詰は無力化してしまった。
量子技術。未来を開く技術に育って欲しい。(L)
6月 23rd, 2021 at 8:19 AM
量子コンピューターとは何なのか?現行のコンピューターとどう違うのか?私にはわかりません。現在世界一の性能を誇る日本のスーパーコンピューターで凄いのに、それを超える性能なんてどんなことができるのか、想像がつきません。
浦島太郎の物語がいつ頃作られたのか知りませんが、本ブログを拝見して「時間を超越するなんて凄い物語だなぁ」と改めて思いました。あの時代(どの時代かわかりませんが)にこの発想はとても素晴らしいと思います。
このような発想が出来る方が、新たな技術・未来を導いてくれるのかもしれませんね。