「ウグイス鳴く」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「ウグイス鳴く」

 近所を自転車で回ると鶯が鳴いている。木の葉に紛れて姿を確認できることはまれだ。日曜日のことだ。まだ日が暮れ前に我が家の茂みにウグイスが来てさえずった。

 

 近くで鳴き声を聞いてうれしいやら、びっくりするやら。

 

 江戸時代、京都の皇族の出である人が、江戸のウグイスは訛っているといって、京都から3500羽の鶯を取り寄せ、鶯谷近辺に放鳥したという話がある。そのウグイスの子孫なのだろうか訛りもなく大変きれいに鳴いてくれた。去年までは「ホー“ケ”ケキョ」という具合に少し訛って鳴いていた。今年は訛りもとれ、絶好調である。

 

 2日ほど前、お向かいの区指定の保護樹の手入れが行われた。茂った樹木の小枝や葉をのぞき涼し気に整えられたが、茂みがなくなったので、鶯が我が家に来たのかもしれない。さえずるのは縄張りを見張るオスの役目で、他の鳥たちに縄張りを主張するためという。

 

 メスはオスの鳴き声で縄張り内に異常なしと判断する。蛇もいない、狸もいない、ハクビシンもいない。ウグイスにとっては一時の平穏な時間だ。

 

 人間世界ではコロナ関連のニュースやコメントにうんざりしている。マスクをしっかりつけているかと気にするマスク警察もちらほら。コロナ禍は1人の努力だけでは太刀打ちできない。そんなわけで誰もが心の中でイライラしているようだ。電車の中の会話でも“ワクチ”ンとか“接種”“集団接種”“大手町”などと言う言葉が聞こえてくる。

 

 スポーツ好きの者にとっては、スポーツイベントがコロナのために無観客や観客数制限がされていることが残念でならない。観客は大きな声を出すこともできない。自粛だ。自分のひいきチームや選手を応援したいと思うだろうに……。今年のセパ交流戦も今一つ盛り上がらない。観客と選手が呼応するような球場にあふれる熱気がないためだと思う。

 

 もっと心配なことがある。オリンピック開催に反対と強く主張する人がいる。でも……楽しみにしてきたオリンピックをあきらめるなんて、本当は、嫌だ。

 

 ウグイスの声で、ひと時、クールダウンしている。(C)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    例の「自然豊かなお庭」のお話ですね。ウグイスが来たのですね。風流ですね。素敵なことですね。

    ウグイスにも訛があるのですね。確かに完成されていない鳴き声を聞いたことがあります。上手に鳴くためには、それなりの経験が必要なのでしょうね。

    早く日常を取り戻したいですね。大手町の集団接種会場では予約が埋まっていない日もあるとか、何とか有効に活用できるよう工夫して頂きたいです。早くワクチンが行渡って日常を取り戻したいですね。

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