「スマートポール」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「スマートポール」

 東京都交通局が所蔵する「円太郎バス(東京市営乗合自動車)」は、昨年9月に自動車として初めて国の重要文化財に指定された。それを記念して、「円太郎バス動く影絵」が特設サイトで公開されている。多分……今でも公開されていると思う。

 

 関東大震災によって壊滅的な被害を受けた東京市電(路面電車)の代替としてアメリカ(フォード社)から800両を購入し、大正13年1月18日から運行を開始。11人乗りワンマンカー。円太郎バスと親しまれたという。つまり今の都バスのスタートだ。

 

 電車の影絵広告は円太郎バスが動き出した頃の夕日(?)を浴びる都会の風景だ。動画特設サイトでは影絵のバスをゆっくりと動かすことができるらしい。この影絵広告で気に入っているのは、通行人やバスの影絵もさることながら、都会の歩道に立っているレトロな街灯の姿だ。存在感があって街並みに風格を与え、都市景観にアクセントをつけてくれる。

 

 東京都は高速通信規格「5G」の基地局を搭載できる多機能の基盤として「スマートポール」の設置数を増やすという。現在、電柱に間借りしている「5G」通信中継器は四角い箱で、味もそっけもない造形物となっている。スマートポールと呼ばれるのは都市の知能の集約したような柱を設置するということだと思う。

 

 スマートポールを活用して通行者数やマスク装着率といったセンサーでの分析のほか、デジタルサイネージ(電子看板)で防災情報の発信なども試したいといっている。つまり「5G」の基地局の他に、都市活動のセンサーや情報発信ステーションの役割も視野に入る。

 

 街の景観として東京を象徴するようなスマートポールを作ってもらいたい。電柱を減らしてスマートポールで代用というのではなく、新しいシンボルを生み出してもらいたい。

 

 ロンドンタクシーのごとく、パリのアパートのバルコニーのごとく、あるいはインディアンのトーテムポールのごとく、ゴミ出し日に出没するカラスのごとく、よくても悪くてもTOKYOの印象を焼き付けるものが生まれないだろうか?

 

 TOKYOを直感的に思い出すようなSMART POLE。作ってほしい。(C)

 

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    タイトルを見て一瞬、娯楽の「スマートボール」をイメージしたのですが、「ポール」だったのですね。

    都心では、電柱の地中化が進んでいくものと思われますが、それに代わってスマートポールが新たに出現するのなら、新たなシンボルとして期待したいところですね。

    私も地方に戻って10年近くなりますので東京も結構変わったのでしょうね。先日、テレビの情報番組で「京急雑色駅」近辺の街を紹介していました。そのベスト10に私が休日よく通っていた飲食店がランクされえおり、見覚えのある大将がご夫婦でインタビューに応えられていました。お店は一部リフォームされているようでしたが、一目で「あのお店だ」と判りました。ラーメン1杯が390円となっていました。私が通っていた時には値上げして370円位だったと思いますので、相変わらず安いですね。醤油ラーメン系ではNO.1の味でしたが、今でも評判のようでした。

    東京でも変わらないものもあるのですね。変わっていくもの、変わらないで欲しいもの、上手く発展していくと良いですね。

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