「高輪築堤」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「高輪築堤」

 2月に日本考古学協会は高輪ゲートウェイ近くで見つかった「高輪築堤」の全面保存を求めた。「日本最初の鉄道が開通した際に造られた世界的にも珍しい海上築堤」だという。

 

 1872年に日本初の鉄道が開業する際、現在の田町駅付近から品川駅付近まで約2,7キロにわたり造られた。現時点で約1.3キロが確認されている。築堤を含む一帯はJR 東日本が2024年完成を目指している再開発工事の現場だ。高層ビル4棟の青写真はできている。

 

 蒸気機関車が走る高輪築堤を描いた明治初期の錦絵は、江戸と明治の架け橋のような存在で、築堤そのものが保存されれば“江戸時代から明治への……”と、夢は広がる。

 

 予定外のハプニングで対応に右往左往することとは多い。 “地球環境保全が大切だと、地球温暖化の対応に手を尽くしている最中に、コロナの流行に遭遇していること”もまた難問である。どちらも緊急の対応が必要だからだ。

 

 背景の違う2つの大切な課題が現れたとき、折り合いをつける方法として、大きなコンセプトの中に2つを組みこむのはどうだろうか?“新タイトル”をつけて総合的に考える。

 

 4月JR東日本は再開発の計画を修正し、高輪遺構の一部を、その現場に残すと発表した。再開発のコンセプトに新しいタイトルを付けたのだ。(仮に想像すれば)“明治時代の鉄道遺構が景色として組み込まれるビジネス空間設計を考える”というように。わずかであるかもしれないが、街に明治の歴史が顔を出すことになったのはうれしい。

 

 コロナ対策と地球環境対策・地球温暖化対策を同時に行わなければならない場合、例えば、“フェース・ツー・フェースに代わる人間性が伝わる新コミュニケーションの仕組み”などとが考えてみるのだ。“人の移動をなくすための小型代理ロボットや分身ロボット、アバターの活用”などと考えを発展させても面白い。“物重視でない社会価値観の変化”などの“新タイトル”もありだと思う。

 

 課題があると、新しい枠組みが生まれるチャンスでもある。(A)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    「相反する2つの課題」これは仕事においてもよく直面することで、悩ましいことですね。優先順位を付けて対応することになりますが、いずれにも有効な手立てを見つけられれば、それに越したことはないですね(中々見つからないので悩ましいのですけれど)。

    コロナ禍の中で、嘆いてばかりもいられませんので、この逆境を有効に活用できる手立てを見つけたいですね。「フェース・ツー・フェースに代わる人間性が伝わる新コミュニケーションの仕組み」は確かにそうですね。物事を前向きに捉え解決の道を探っていければと思います。

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