「歩容認証」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「歩容認証」

 このような認証があることを初めて知った。人物を判別する方法で、顔がわからなくても、指紋やDNAを使わなくても推定できる方法だ。映像から歩く姿のシルエットを取り出し「腕の振り方や歩幅、姿勢、動きの非対称性」などによって人物を判定する。

 

 確かに、遠く離れていても、親族なら歩行者天国にいても、それとわかる。足のリズムや腕の曲げ方などからかなりの確度で見分けがつく。

 

 この歩容認証技術は人の推定へ利用される可能性は高い。しかし、不特定多数の中から人を推定する以外に、すでにわかっている人の身体の状態についても正常か否かを診断できる可能性を秘めている。更に、歩きながら質問に回答してもらうと、そのわずかな回答時間の違いや歩き方の違いから認知症の判断までできるのではないかと研究されている。つまり身体の動きの解析は診察ツールとして幅広く利用できる可能性がありそうだ。手術後の歩行状態を解析するだけで、リハビリ改善効果も判別できるかもしれない。

 

 健康チェックもアンケートに答えることなく、これで簡単にできるかもしれない。肥満になれば歩く姿も変わってくるので体脂肪率も推測できるという道理。「今日は頑張った」といって会社を退社するサラリーマンの疲労度もチェックできるだろう。

 

 所詮、身体の動きから、人物特定や健康状態の類推を行うことができないかという課題だから、隔靴掻痒の感は否めない。しかしそこの事例を積み重ねて学習することが重要だ。この時代なので、AIで知識を補完できれば何とかなるかもしれない。

 

 今年の秋、群馬、栃木、埼玉、茨木など北関東地域の農家から子豚、小牛、鶏、その他ナシやブドウなど果物類が堂々と夜間盗まれた。防犯カメラに写っているのに、犯人が逮捕できないでいるのはどうしてだろうと思っている。農家のことを考えると盗まれるという無念さは痛いほどわかる。農家の畑作業を体験した経験があるので、ニュースを聞くたびに悔しい。夜警もしていない畑や畜舎から農家の汗の結晶を盗むという蛮行は、健全な社会ルールを踏みにじる“嫌な感じ”の犯罪だ。

 

 防犯カメラに映る犯人は敏捷に小牛を運んでいた。蛇が鳥の卵やひなを狙うように。(C)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    人物の判別に「歩容」まで活用される時代になったのですね。私は、数年前に膝を痛めてからは特に「歩く時に曲がっている」との指摘を受けることが多くなりましたので、歩容認証技術で直ぐに判別されそうです。
    顔認証だけでもかなりの精度だと聞きますが、犯罪や感染症拡大の防止に役立てられるとよいですね。
    広く普及して農家の方々の汗の結晶を有効に守ることが出来ればと思います。

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