「距離感」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「距離感」

 1カ月に及ぶ梅雨明け後の酷暑で迎えた夏休み。「3密の回避」を心がけた上で、思いっきり汗が出る作業をしてみた。ほぼ1週間、1日4時間ほどの草とり作業を続けてみたのだ。もちろん適度な休憩と、水分補給を心がけ、作業が終わったらシャワーを浴びてリフレッシュする。

 

 飲んだ水はさっと体のあらゆる隙間に吸収され、あっという間に汗として顔や腕にあふれ出る。まるで体の細胞を水洗いしているような感じだった。植木鉢で上から水をやると鉢底から水がすぐ出てくるような感じと同じだ。

 

 お盆の頃、道端のゴミ回収スポットで鉄砲ユリが白い花を3つ咲かせた。隙間がほとんどない側溝のわきから芽を出し、1メートルほどに伸びたのだった。アスファルトやコンクリートで覆われた都会で数ミリの隙間を見つけたユリの生命力に敬服。場所が場所だけに誰かが植えたとも思えない。

 

 電車の中、学校帰りの小学校3年か4年の女子生徒が隣に座った。何か楽しそうだった。カバンからパラパラ音の出る細く切った紙束を取り出し、ハミングしながらリズムをとっている。そして思い立ったように、突然ツバを右手にとって左腕に一生懸命擦り付けている。行儀のよいことではないし汚いよ。でも……マスクをしている私の横で女子生徒は自分の世界に浸りきっている。

 

 今年の夏休みは小さな世界で過ごしたので思い出は少ない。元気をもらったのは隙間から出て花を咲かせた根性ユリと、電車で隣に座った女子生徒、自分の世界に没頭していたツバキ姫の演出力だろうか?生命力に満ち溢れた植物と子供が印象的だった。

 

 コロナ禍の中で生活や仕事で物理的な距離感が大きく変わったと言われている。LCAでも解決すべき課題とLCA作業でのモデリングの距離感が近い方が良い。どのプロセスに焦点を絞って考えればいいか考えやすくなるからだ。物理的だけでなく、感覚的な距離感というのもありそうだ。

 

 コロナから離れると、物差しや時計で測れない距離感。大切なのではないか?(L)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    例の自然豊かなお庭の草取りをされたのですね。酷暑の中、お疲れ様でした。
    汗をかくのはとても大切なことかもしれませんね。もちろん熱中症には気を付けなければなりませんが、私など1日中冷房の中で過ごし、あまり汗をかかないのは身体によくないのでしょうね。出来るだけ太陽が沈んでから少しでも歩くようにしています。
    今年はコロナによって何もかもが初めての経験となっていますが、そこから何かを得て、次の時代につなげていきたいですね。

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