「かじり虫」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「かじり虫」

 梅雨明けが待ち遠しい7月下旬、夕方雨もやんで土も乾いてきたので、植え込みの手入れをした。久しぶりの庭いじりに雑草も抜くことができ…いい気分だった。

 

 夜中に足がかゆい。ふくらはぎの部分がかゆいのだ。夕方庭作業中に蚊に刺されたに違いない。翌朝風呂の掃除も兼ねて湯につかり、足の表面をぼりぼり掻いてさっぱりしたのであるが、蚊に刺されたアトというよりは虫に“かじられた”と思われる赤い斑点が両足で7カ所もある。こんもり膨れているだけでなくの局部的に熱まで持っている。この傷は何か異様だ。

 

 雑草取りのために、植え込みの下に潜り込んだので、地面に足を着いていた。短パンをはいていたので、脛は丸出しで作業していたのだ。

 

 ひょっとしたらヒアリにかまれたのかもしれない。しかしこんな都会の植え込みの下に巣をつくるのだろうか。アブという可能性もある。よく馬や牛について血を吸っているあれだ。アブは皮膚を“かじる”と聞いている。ブヨの可能性はないだろうか。よくキャンプ場で悩まされるあのハエのような黒い虫だ。しかし……ブヨの幼虫は清冽な水質の指標昆虫となるほど水質汚染に弱いので、住宅地ではほとんど見られない……と聞いている。

 

 結論からいえば、何の虫に“かじられた”かわからない。メンソレを塗って数日過ごしている。残念ながら昆虫との戦いで敗者となってしまい、反省している。…ひそかに近づき私の皮膚をかじり、孔をあけ血を吸う虫がいる。考えただけでも腹が立ってくる。

 

 「かじると」いうのは礼節を欠いたひどく野蛮な行為だと思う。罪の意識も持たず、相手に危害を加える攻撃的な行為だからだ。時間と共に怒りがこみあげてくる。

 

 墓から迷い出たゾンビのごとくふらふらとスマホを位牌のごとく掲げながら歩き回る人種がいる。特に駅構内でよく見かける。スマホに集中しているので……自分は並んでいる人に気が付かないふりをして列の途中に紛れ込む。社会のルールを“かじる”人種である。列に並んでいる人々の費やした時間を“かじる”人種である。スマホゾンビだ。

 

 スマホゾンビも安住の地に戻ってほしい。現世で「かじる化」は避けてほしい。(C)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    例のpeasia様の‘自然豊かなお庭’での出来事なのですね。自然界にはいろんな虫などが潜んでいるでしょうから気をつけなければなりませんね。上手く共生していくことが必要ですね。

    ご指摘のとおり、スマホを位牌のごとく掲げている若者等をよく見かけます。列の途中に紛れ込む者までいるのですか。困ったものですね。スマホにそこまで依存するとは社会秩序を乱す行為ですし、危険ですし、時間の無駄のような気もします。(私が歳のせいですかね)何とかならないものでしょうか。

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