「滑り込みセーフ」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「滑り込みセーフ」

刺し身好きな私にとってはうれしいニュースだった。豊田通商が近畿大学と技術提携して、高級魚であるクロマグロの育成事業を始めるという。人工孵化させた幼魚を、約3カ月かけて養殖できる中間魚(ヨコワ)まで育て出荷するのだ。食料資源を作り出すシステムが動き出した。(食料を資源と呼ぶのは欧米風でスッキリしないけれど・・・。)

 

国際的に漁獲規制が広がるなか、天然の幼魚を使わない完全養殖として事業化できるところまでこぎつけたのは、“滑り込みセーフ”ということになるのか。

 

希少金属の一種レアアース(希土類)の価格が一段と高騰しているようだ。世界供給量の9割以上を占める中国が今年の7月に輸出許可を前年比4割削減することを決め、供給不足懸念が広がったためである。

モーターはハイブリッド車や電気自動車、冷蔵庫、エアコンなど様々な製品の性能を左右する中核部品。回転子と呼ばれる磁石部分に、大きな力を効率よく生み出せるネオジムやジスプロシウムなどのレアアース材料が使われている。家電素材・メーカー各社は電気自動車や家電製品に不可欠なモーターを、従来の主力材料のレアアースを使わずにつくれないだろうかと必死のようだ。

 

日立製作所は酸化鉄で実用的なモーターを試作、2年後に製品化を目指す。ダイキン工業と大阪府立大学のグループは単独では磁力が弱い鉄とフェライト磁石を組み合わせて、高出力モーターを開発した。帝人と東北大学は鉄と窒素を使った新材料を開発、高性能モーターに応用する。

 

レアアースについても代替資源の合成や開発が高性能モーター多用時代に間に合って、“ランニングキャッチ”できたとなることを心より願っている。

 

見方を変えてみると、資源を開発するということは大変なことであるが、やりがいのある目標だと思う。私も新しい資源を作る現場で、環境面からLCA(ライフサイクルアセスメント)を駆使して、ともに活動したい。環境問題解決に向けてお役に立ちたいと思う。新たな資源を生み出す時代のパワーに身を浸したいものだ。

期待の集まる新分野で、果敢にチャレンジできる時代は幸せである。(A

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