「一味」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「一味」

6 11 日に開幕するサッカーワールドカップの日本代表が発表された。世界のレベルは高そうだし、今までの日本代表候補選手の試合を見る限り大きな期待はかけられそうもない。しかし、日本代表チームで使われるマークにある三本足の烏にあやかり、頭脳的なプレーとチームプレーで大いに世界の強豪チームを慌てさせてほしい。

 

3 本足の烏が 3 本目の足でボールを押さえているマークが気に入っている。いかにも並の烏と一味違うぞといいたげなデザインだからである。

近所においしい坦々麺をだす中華料理店があった。多少愛想のないおばあさんがテーブルの世話をしており、よく料理人にもきつい調子で話しかけている店だった。おばあさんは歳のためか姿が消えて、そのうち、坦々麺が普通の味になってしまった。これならわざわざこの店にくるまでもない。足は店から自然と遠くなる。料理人が代わったのか、手抜きをしているのか分からないが、一味の違いを舌は確実に選別する。

 

なぜピカソの絵画が約 100 億円で競売落札されるのだろうか。目にしたとたん、これは一味違うという特別な気が絵画の周りに漂っているに違いない。数値で表せる違いではない。「何が違うのか説明できないが、それでも、けた違いの満足感を得られる」というような不思議な世界も存在するから世の中単純に割り切れない。でも、人は確実に選別する。

 

ハイブリッド車や電気自動車( EV )の走行音が静かすぎ、歩行者が車に気づかない恐れがある問題で、国交省は電子音を鳴らす装置を搭載した車の走行実験をおこなった。人工走行音には何か口でうまく表現できない感覚的な評価が伴う。恐らく物理的数値による決定打的な音はないのだろう。自動車の性能より走行音が車両の一味の違いを演出することになるかも知れない。

 

私どもは環境に配慮した製品を普及させるべく、ライフサイクルアセスメントを行っている。対象製品の狙いを十分に理解したうえで、解析モデルを組み、製品を際立たせるポイントを見つけたいと思う。特徴を際立たせるためのポイントを見つけ、更に良い製品となるためのツボを見つけるお手伝いをしたい。

お客様の製品や商品に対する思い入れを共有できれば、そのツボを外すことなく解析できるはずだ。「一味」をおろそかにしない解析を提供したい。( L