「プチプチ」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「プチプチ」

昨日、注文したジュースの瓶詰めが届いた。きれいに「プチプチ」で包んである。早速、指先で気泡をつぶし、気分転換をはかった。指先の破裂音とかすかな衝撃が気分を休め、疲労感を和らげる。つぶしたからといって何かに使えるわけではない。ただひたすらテレビを見ながらつぶすのみ。

 

このプチプチは米国企業シールドエア社が製品化して50年の歴史を持つという。同社の創業者の一人が1950年台前半、飛行機の客席から雲海をみて思いついたという。ボコボコした小さな雲の波を眺めていてひらめいた。「無数の雲の山を突起にしてシートに張り付ければ割れ物の緩衝材になる。これなら必ず売れる」。数年かけ量産化に成功し、1960年にシールドエア社を創業した。なんという幸運を掴み取る才能だろうか。いつも課題を持ち、テンションをかけた生活していると思わぬことからチャンスが生まれるらしい。

 

環境ビジネスでも、バイオミミクリーといって生物の機能などを模倣し、先端製品の開発する手法があるという。蛾の目は光の反射率が極単に少なく、わずかな光を無駄なく集光できる。だから暗いところでも飛べるのだろうか。光合成を行う葉緑体は光エネルギーを無駄なく利用している。太陽光のエネルギーを使い、二酸化炭素と水から有機物を効率よく作り出す。

自然界の驚くべきメカニズムを人工的に実現するのはそれなりに大変だと思うが、「努力すれば実現できるのではないか」という安心感は捨てがたい。目標があれば考えやすい。一つの成功事例や完成されたメカニズムは後に続くアイデアを次々と生み出す。

 

「プチプチ」は高機能な包装材・緩衝材でありながら、指先の感触を楽しませるおもちゃでもあり、精神安定剤にもなる。なんと偉大な発明であることか。

それに話題づくりの材料にもなる。「君は「プチプチ」をどうやってつぶすのか?端からつぶすのか?包装材を絞って爆竹のように連続的にパチパチつぶすのか?」などちょっとした会話に便利。(C