「高齢化」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「高齢化」

日本の原子力発電の敦賀原発1号機が当初想定されていた40年を越える運転にはいった。原発の後継機の建設が進まないため、「高齢原発」の使用が今後相次ぐという。日本の人口構成や産業活動で「高齢化」が話題に上ることが多いが、原発までも「高齢化」とは。

 

燃料棒を束ねた燃料集合体を包む容器が原子炉容器と呼ばれる。内部の核分裂で出る中性子に絶えずさらされるのが原子炉容器で、原子炉の稼働時間が増えるにつれて中性子脆化という現象で材料強度が下がってくるという。当面原子炉容器の材料は定期的な検査をしており、60年まで十分に耐えられるとの判断が下されているので安心だが、そろそろ日本としても、原子力発電の位置づけを原点に返って見直す必要がありそうだ。

 

「日本の原子力発電政策も今一つクリアーでない・・・ナア」と評論家的なことを考えていたら、頭を張り出した枝にぶつけて目から火花が出るようなニュースが目に入ってきた。マイクロソフトを成功させたビル・ゲイツ氏が関係している。ビル・ゲイツ氏が個人の投資活動の一環として経営に関与する次世代型原子炉の開発ベンチャーと東芝との話し合いが始まっているらしい。狙っているのは、核燃料を交換せずに最長100年間の連続運転が可能な新型炉であるとのことだ。一流の成功者の鋭い嗅覚か?

炉心の寿命が40年とか、60年というレベルからさらにジャンプしている。やはり原子炉容器の長寿命化が必須の技術テーマだったのだ。原子力発電は時代の先端を切り開くテーマだったのだ。

 

個人資産家がイノベーションに顔を出す時代。ダイナミックに世界は着々と新しい局面に移行しようとしているようだ。イノベーションとは「技術革新+ビジネス革新+環境革新」のイメージだろうか。政府も企業もうかうかしていられない。

 

ピーイーアジアは長年培ったライフサイクルアセスメント(LCA)の技術を持っている。LCAでは材料、製造工程、販売、廃棄などのいろいろな側面で環境負荷をどのように低減したらよいか解析できる。そこからビジネスの芽も発見できる。新しいビジネスも環境という切り口でチェックし、将来の環境リスクを低減できる。「ビジネス革新」や「環境革新」の一端を担いたいと願っている。(C