「水ビジネスの奥の手」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「水ビジネスの奥の手」

「ブルー・ゴールド-狙われた水の真実」という映画を見た。「ブルー・ゴールド」というのは「ブラック・ゴールド」の対比で、石油が金儲けの対象になり、オイルメジャーが牛耳った20世紀と同じように、水メジャーが21世紀を支配することへの懸念を表現したタイトルである。

 

20世紀が”石油戦争“の時代だとしたら、21世紀は”水戦争“の時代になる」「地球温暖化は“どうやって”生きるかの問題だが、水危機は”生きられるかどうか“の問題なのだ」と映画はメッセージを繰り返す。

映画のパンフレットからの知識である。「1950年からの45年間で、世界の水消費量は人口の伸び率を上回る約2.6倍に増加した。それでも、地球上にはすべての人に行き渡るだけの水資源があるとされるが、実際使える量には、地域間の格差が大きい。安全な水を飲めない人は、約88千万人。人口増加や温暖化の影響で使える水の量に一定の制限がある。「水ストレス」を受ける人は、2025年に30億人を超える可能性がある」という。

 

映画は、水が企業や政治家の利権つながることを嫌っている。しかし、水を利用できるように浄化/処理し、等しく分配できるように高度なシステム開発と技術開発が必要であるということは伏せられている。そこも大事だと思うのだが・・・水の利権がいかに社会に影響を及ぼすかということだろうか・・・。

 

既存の「水メジャー」に続けと、日本企業間の連携が進んでいる。荏原、日揮、三菱商事のグループ、東レと日立プラントのグループ、富士電機ホールディングスと日本ガイシのグループなど、国内企業のグループ化のニュースが飛び交っている。いずれも発展途上国でのビジネスを考えている。

日本企業グループとしての特徴として、水の供給システム自身、構成する水の浄化設備、配管など、ライフサイクルアセスメント(LCA)を行い、発展途上国では、透明性の有るシステム説明の準備をお勧めしたい。LCAが成功への奥の手にならないだろうか。高機能濾過膜やポンプなどの評価の高い技術力も一層、説得力が増すはずだ。

 

ビジネスを成功させるためには、コスト、技術力、環境の3要素のどれが欠けてもいけない。21世紀のビジネス戦略構築にLCAで貢献したいものである。(C