「道具に感謝」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「道具に感謝」

水泳競技で水着の改良が記録向上につながることを知ったのは、北京オリンピック代表選考の時だった。候補選手が特定メーカーの水着にかなりこだわっていることが報じられたからである。選手は、水着によって記録が違うことを実感していたのだと思うが、単なる水泳好きの私には信じられないことであった。

私はほとんど記録というのは選手自身の鍛錬によると思っていた。戦後の古橋、橋爪のライバル競争での切磋琢磨だけが印象に残っていた。だから、日本記録や世界記録を出す人は並々ならぬ練習量とスポーツ科学的トレーニングをこなしてきたのだろうとは思っていたが、まさか道具とも言える水着がこれほどまでに影響するとは。

 

スポーツでは本人の努力と道具との併せ技であることは、うすうす感じてはいた。棒高跳びのポール材質の変更、マラソン選手のシューズ改良、プロ野球選手のバット特注などよく耳にしてきた。改めて、スポーツでは本人の能力、技量それに道具が大切な場合が多いことを改めて認めざるを得ない。

 

考えてみると、LCA(ライフサイクルアセスメント)を業としている我々はGaBiという高級な道具を使用して、どの工程、どの材料がどれほど環境に影響するのかを解明してきた。水泳の記録に係る報道から、LCAの場合、ソフトウェアの助けでよい解析ができることを改めて認識している。

 

何事においても、自分だけでは結果を残せない。結果は支えていただいている周囲の方々のサポートや道具のおかげである。(C