「サグ部」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「サグ部」

品川駅のラッシュ時、駅通路は大変混雑している。「港南方面へ向かう方は通路の中央部分をお歩きください・・・」という構内放送が繰り返される。まさに渋滞である。

 高速道路料金が一部安くなり、交通渋滞が多くなるのではないかと多くのドライバーは心配している。

新聞の記事によれば、高速道路の渋滞の発生原因第一位は「上り坂・サグ部」で37%を占めている(2007)。サグ部というのはロープを緩く張ったときのように下り坂から上り坂にさしかかるくぼ地である。「緩い上り坂ではドライバーが上り坂であることが分からず、アクセルを一定にするため、速度が落ちてきて、後続車はブレーキを踏むことになる。そのブレーキ操作が次々と後続車に信号として伝わり、「減速の波」が増幅し、ついには交通流が停止状態になる。」という。いわゆる自然渋滞である。

自然渋滞でなくても、異常に急加速急減速する車や車線変更が下手な車の後ろを走っていると運転しづらい。その結果出さなくてもよいブレーキ信号を後続車に出し、交通の流れを乱すことになる。

 

自然渋滞の予防方法は、ドライバーは自分のことだけでなく全体のことを考えて行動することが大切で、車間距離を40m以上維持することだそうである。「減速の波」の増幅を断ち切ることになる。

 

最近混雑した品川駅の構内通路では、自分があせって歩いているときには、前をふさぐ人が多く感じ、ハッとして我に返ることがある。車間距離(人間距離)を無視して接近しすぎているのだ。折角LCAの基本である材料、工程、輸送、使用、廃棄などの全体の環境負荷バランスをチェックするという考え方を身につけているつもりでおりながら、混雑時の歩行では「全体の状況を見ていない」と自分をしかっている。今、「サグ部」にさしかかっているのではないか。(A