五輪の表彰式でメダリストには「ビクトリーブーケ」が渡された。メダルを首にかけ、ブーケを自由の女神のように高く掲げることで勝利のポーズとなる。メダルの色は違っても、金、銀、銅の勝者はヒマワリのブーケを掲げる。
ひまわりの花が真夏のオリンピックを象徴している。ほかの植物も添えられているのかもしれないが、画面を見ている観客からは鮮やかな黄色いひまわりのブーケは強いアスリート魂として記憶に残るだろう。
多分多くの人が気づいたと思うけれど、ひまわりにしては花が小さい。3輪(?)ほどだろうか、2019年冬、宮城県は大会組織委員会から連絡を受け、準備を開始した。ヒマワリは通常の半分。直径約7センチと決まった。畑で存分に大きくなるヒマワリを花の直径7センチと小ぶりにするのが大変だったらしい。根の長さを調整したり、苗の間隔を変えてみたりしたという。
ヒマワリを小さく育てるノウハウをつかむために1年半もの歳月が費やされた。
都営交通の電車内のつり広告は、人知れず都会の輸送を確保するために働くインフラ保守の人々の苦労が写真で紹介されている。このシリーズ物の広告は写真も普段見落としがちなシーンを切り取っているし、添えられたメッセージも感謝にあふれている。終電車の後に地下鉄のトンネル内で点検する作業員チーム。電車の乗っている乗客も、都市部の交通を支えているのは多くの人が休んでいるときに働いている人々のおかげだと…ストンと胸に入る。……都市交通で保守にあたる人にもひまわりブーケをプレゼントしたい。
オリンピックでは沢山のメダリストが多くに人々に支えられてここまで来たことに感謝していた。選手はSNSによる中傷、メダルへの過度な期待、コロナ下での五輪反対表明など心がくじけそうな状況下で選手たちは頑張って来た。アスリートは心技体を鍛えるといわれてきたが、今回の五輪では特に心の問題が大切だったのかもしれない。選手、選手を支えた人々……大変だったと思う。
山手線の最後尾車両の行き先表示液晶画面にヒマワリの花。すべての人へのエール。(A)
9月 13th, 2021 at 8:34 AM
「ビクトリーブーケ」については、そのような裏話があるのですね。「ビクトリーブーケ」に限らず、東京2020では、一般の人々には知られていない数多くの努力があって開催できたものなのですね。ただでさえコロナ感染拡大⇒緊急事態宣言下での開催でたいへんな状況でしたのに、よくここまで開催し無事終了できたものと思います。
賛否両論ありましたが、関係者の皆様、本当にお疲れ様でした。