「ボタンを押すだけ」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「ボタンを押すだけ」

ボタンを押すだけで操作できる自動運転車が米グーグルから公開された。試作車を向こう 2 年間で約 100 台生産し、今夏にも走行実験を始める。「順調にいけば、 2 年以内にカリフォルニア州で小規模な試験運転運用を始めたい」と開発責任者は述べている。

小さくて 2 人乗り。顔はコンピューター顔で丸い目とコアラのような鼻がついている。全体が丸みを帯びている車形で、日本人、特に若い女性が好きそうなフォルムだ。車の上に搭載したセンサーやカメラが周囲の情報を集め、人工知能を備えたコンピューターが集めた情報を使って運転する。搭乗者は、目的地の入力、開始、終了のボタンを押すだけだ。

「市街地での自動運転は高速道路の 100 倍難しい」とグーグルの開発者も予防線を張っているけれど、目指すところは 1970 年代に日本でも目指していたことと一致する。

1971 年の東京モーターショーで、銀座を 1/20 スケールで再現したジオラマの上をコンピューター制御された 60 台の模型車両が走行するというデモンストレーションが展示された。安全で公害のない交通手段として研究されたもので、コンピュータ・コントロールド・ヴィークル・システム (Computer-controlled Vehicle System) CVS 」と呼ばれていた。

景観を乱さないように都市の空間に格子状に 100 メートル間隔で CVS 用の細いガイドウェーを設けるという提案だった。コンピューターは地域をカバーする CVS 車両の位置や速度を常時監視しており、搭乗者はチケットを入れボタンを押すだけでルートや速度を自動的に判断し目的地まで行ける。 1974 年、実物大の CVS 車両 100 台をコンピューター制御する実験では 1 秒間隔での安全走行実験に成功している。

CVS には安全、公害対策の他に、“交通弱者対策”も含まれていた。お年寄りが一人で新宿まで買い物に出かけられるような移動手段が必要だ……という発想だ。

小型車の市街地自動運転というよりは、 1970 年当時日本で盛んに使われた用語「新交通システム」と称して自動車と一線を画して開発に弾みをつけるのもいいのではないか。米グーグルに進言したい。

交通弱者のための車両の LCA( ライフサイクルアセスメント ) に参加したいものだ。( A

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    なるほど、自動運転は「交通安全」の他に「交通弱者対策」にも有効に機能する可能性を含んでいる訳ですね。

    世の中で一気に全ての車を自動運転車に代えることが出来れば、安全な自動運転社会が実現できるかもしれませんが、現実には徐々に導入されていくことになります。しばらくは自動運転車と非自動運転車とが混在する形なので課題も多いのでしょうね。

    ただ自動運転社会となっても自らの手で運転する楽しみは捨てたくありません。私は本当に運転するのが好きです。
    自ら運転する楽しみと自動運転により得られるメリットが共存できれば良いと思います。

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