「シロッコファンの不安」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「シロッコファンの不安」

住宅機器ショールームで台所換気扇を夫婦で見た。素人目には、扇風機のような翼配列をしたプロペラファンが効率良く見えるけれど、シロッコファンの流体力学理論を駆使した性能もまんざらではないらしい。

プロペラファンは価格も手ごろだし、いかにも“空気を外に出します”然としている姿もたのもしいが、外の風の影響で風量がダウンしたりするし、ガス自身に上昇気流が生まれていないと排気効率が落ちるというようなことがあるという。

一方、シロッコファンは“これで空気が流れるのか”と主婦に疑問を抱かせる構造を持っている。羽根車に幅の狭い羽根が回転軸から放射状に数多く付いている。「このような羽根の配置では空気を掻き出せない……ように見えるけど?」妻の不安ももっともだ。しかし、すぐさま「でも皆さんクレームを出さずに使っているのだから排気性能は十分に違いない。ファンの掃除が簡単にできるかということの方が主婦にとっては大切だ」と、たちまちのうちに機能の不安を払拭する。

“シロッコファンは遠心力を利用したファンで、回転している円盤は外側ほど遠心力が強くなる。回転する円盤の中心付近に何かを置くと、遠心力で外に押し出されるように、羽根の間の空気も羽根が回転すると外に押し出される。回転軸側から吸い込まれた空気は、回転する羽根の隙間を通って外周部に放り出されるという感じだ。”

などと、にわか勉強した後で説明しても、「なるほど。ファンの機能は十分……でも説明は理屈っぽくてよくわからない。」とそっけない。

妻の住宅機器選定のワザを知った。「導入する現場を想像して、使い勝手と効果を想像する」。こうすると迷うことなく正しい判断に到達するらしい。

LCA(ライフサイクルアセスメント)も作業の中身を習得するよりも、どのような現場でどのような課題を解決するために使うのかをまずイメージできなければ、LCA解析はうまくいかないのではないかと思う。(L)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    正直言いますと「シロッコファン」のこと知りませんでした。このブログを拝見して、あわててネットで見てみましたが、確かに「きちんと排気してくれるのだろうか?」という第一印象を持たれるのではないか、と思いました。でも円周上に配置されている羽根を見ますと、遠心力で排気するというのも理解できました。

    最近では、換気扇に限らず、扇風機でも‘羽根無し’が登場して「本当にこれで役目を果たしてくれるのだろうか」と思わせられたこともありました。
    技術の進展とともに、形状も大きく変化していくのですね。家電や住宅機器・設備においても、これから外観や形状が大きく変わっていきそうですね。既成概念にとらわれていると、ついていけなくなりそうです。

    どのような新機能・新形状のものが出てきても「導入する現場を想像して、使い勝手と効果を想像する」この判断が間違いなさそうですね。

コメントをどうぞ