コロナが相変わらす猛威を振るっている。目に見えない敵に立ち向かうタフな物質や策はないものだろうか。三密を避けるのは有効な予防法のようだが、三密回避だけが唯一の手段では……何か寂しい。
ナンキンハゼが発芽して2年。ゆるく丸みを帯びた菱形の葉をつける。葉はきれいな緑、秋口には黄葉する。葉が散るので掃除が欠かせないが、季節の移ろいを楽しんでいた。葉に虫もつかないし、葉はさらさらしているので清涼感がある。
ところが今年は長い梅雨の影響だろうか、この木は想像以上に生命力にあふれ、植物の姿をしたイキモノとして恐ろしい勢いで自分の勢力範囲を拡大していく。道路まで枝をのばし歩行者の邪魔にもなる。この木の性格の図太さとパワーに圧倒されている。
こんもり茂った森や林の中ではいわゆる“森の匂い”がして、気持ちが安らぐ。匂いの正体は植物が発する揮発性物質でフィトンチッドという。旧ソ連の科学者トーキン博士が発見した。植物を傷つけると、植物はその周辺の細菌を殺してしまう。植物は自ら移動できないので、このフィトンチッドを発することにより、植物にとっての敵からの攻撃を防御することができる。植物にそなわる免疫力のようなものだろうか。
フィトンチッドは植物の敵、カビや細菌を撃退する毒でもあるので、コロナウィルスにも…仮に打ち勝つならば…「森を散歩することで、気分は爽快になり、肺も掃除され、吸い込んだコロナウィルスを撲滅してくれる」というような“偉大なる自然の力”話が語られるはずだ。残念ながら、森林豊かな北欧、カナダなどからもこんな話は聞こえてこない。
「フィトンチッドがコロナウィルスに有効だという話はない」ということは、植物にとってコロナウィルスは寿命を縮める敵ではないのだ。とりあえず、植物の生命力を信じ、森林浴でリラックスし、人間に本来備わった免疫力向上を心がけたいと思う。
自分自身の免疫力を向上させるのもコロナへの対峙の仕方かもしれない。…食事、筋トレ、芸術鑑賞、ストレスフリー、睡眠……それとも…リモート会合、バーチャル旅行。
何が引き金でコロナ騒動は収束に向かうのだろうか?(A)
9月 25th, 2020 at 8:35 AM
例の「自然豊かなお庭」でのお話ですね。確かに植物には生命力を感じますね。動物に比べて寿命もはるかに長いので大地にどっしりと息づいている感じがします。
新型コロナウイルスに打ち勝つには、最終的には免疫力かもしれませんね。植物からも生命力を頂き力強く対抗していきたいですね。