新型コロナウイルスで経済活動は停滞している。そのおかげというのは正しい言い方ではないが、2020年の温暖化ガスは、過去最大の減少になるとの試算が出ている。
国際エネルギー機関(IEA)はエネルギー関連の二酸化炭素(CO2)の排出量は前年比8%(約26億トン)の減少になると予想した。
インドの首都ニューデリーは、世界で最も大気汚染がひどい都市の一つといわれていたが、新型コロナウイルスの流行に伴うロックダウン(都市封鎖)が敷かれて、市民らは、澄んだ青空ときれいな空気を大いに楽しむことができている。インド北部のパンジャブ州で、200キロ近く離れたヒマラヤ山脈が数十年ぶりに見晴らせるようになった。
温暖化ガスの排出量が減少したり、汚染のひどい地域の空気が清浄化したりして、コロナウイルス対策によって思わぬプレゼントが人間にもたらされている。
しかし、全体の絵柄はそれほど楽しいものではない。基本的に健康状態にあった地球の上にコロナウイルスのような人類が異常繁殖して、地球全体を肺炎状態にしていたのかとも思う。地球を救うために、遠隔診療のように衛星画像から症状を確認したり、体外式膜型人工肺(ECMO:エクモ:人工肺とポンプを用いた体外循環回路による治療)が血液中に酸素を供給するように、都市に大型空気清浄機を設置したりしている国もあると聞く。地球の環境を考えた場合おかしなことではないかと思う。
LCA(ライフサイクルアセスメント)は根本的に人間が宿主である地球に環境負荷を与えない方策と環境を守るという意思決定のために行うものである。ソーシャル・ディスタンスをとって行動するとか、マスクをして他人にウイルスを巻き散らさないという行為はむしろLCA的考えに基づいた事前予防の対応である。人間が健康に過ごすための基本要件だ。
最近デザインがきれいなマスクをしている人が多くなってきた。健全な社会に戻りつつあるのではないかと思う。ウイルスをまき散らさない、吸い込まない工夫が必要だ。
人間は宿主である地球を痛めつけてはいけない。持続可能とはこんなこと。(C)
5月 22nd, 2020 at 8:21 AM
新型コロナウイルスの出現で、二酸化炭素が削減し、大気汚染も改善されるなって皮肉にも思えますが、もしかすると地球自体が地球環境の改善のために新型ウイルスを送り込んだのかもしれませんね。
地球上に存在するもので意味の無いものは無いと考えると、ウイルスの存在意義もそんなところにあるのかもしれません。
「人間は宿主である地球を痛めつけてはいけない」正にそのとおりだと思います。