「ソーシャル・ディスタンス」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「ソーシャル・ディスタンス」

 新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐために、首都圏周辺の自治体を中心に道路や公共駐車場の封鎖が行われている。「観光レジャー目的での来訪はお断りします」というキャンペーンも、ゴールデンウィークを前にして始まった。

 

 家電量販店に行ったとき、道路の向かい側のわずかなスペースに軽自動車でいちごを売っている夫婦に気付いた。懸命に完熟したいちごを道行く人々に勧めている。例年ならいちご狩りの客が来て農園は掻き入れ時であるけれど、外出自粛中でお客ゼロでは完熟いちごのはけ口がないのだ。……そんな事情が察せられたので1パック購入した。一生懸命働いている二人の姿に引かれたのかもしれない。多少高めだと言っていたが、法外に高いわけでもない。いちご農園で摘み取られ、食べられるはずだったいちごはまさに完熟状態で真っ赤。……いちご狩り農園との距離が小さくなったような気持ちだ。

 

 関東地区での観光地“箱根”でもこのゴールデンウィークに近県からのお客様に対して“観光ストプのお願い”を出している。観光スポットや、美術館も閉じている。自然に包まれた静かな宿やホテルも閉じているので観光客はかなり抑えられるはずだ。

 

 箱根の自然には、観光から解放される「自然の再生/養生期間」も必要だと思う。一人ひとりのソーシャル・ディスタンスは2m以上といわれる。人と自然の樹木や生物とが接触しない距離感もあるのかもしれない。自然も人間も共に“勝手”に育つための“自然と人間のソーシャル・ディスタンス”的な距離だ。…「ECOディスタンス」……。

 

 距離をとって冷静になることが大切な場合が多い。仕事と自分の能力。仲間と自分の流儀。お客様の依頼と自分の思い入れ。微妙な問題でも、心理的な距離、時間的な距離、物理的な距離をとる事で問題の核心が見えてくる。

 

LCA(ライフサイクルアセスメント)においても、その内容を把握したうえで、一定の距離感をもって考察すると対象がよく見えてくる。一晩寝て考えてみると別の世界が見えてくる。多分自分と課題との距離感が定まって、課題への焦点が定まってくるのだ。

 

 Distance(ディスタンス)は“へだたり”。多少、哲学的なニュアンスあり。(L)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

     「ソーシャルディスタンス」とは、新型コロナウイルスによる惨禍が生み出した産物ということになるのでしょうか。終息した後もこの習慣は残るのかもしれませんね。
     これは、新型コロナウイルス対策だけでなく、その他の感染症、インフルエンザや通常の風邪に対しても有効なのでしょうから。
     レジに並ぶ時だけでなく、終息後に客の戻った居酒屋などでも席の間隔を開けるようになるかもしれません。物理的な制約はありますが、新規でオープンする居酒屋などでは、最初から席の間隔を広げた設計とするかもしれないですね。
     マスクを付けるのも習慣化するのかもしれません。もちろん新型コロナウイルスの影響は3年程残るとも言われていますが、終息した後でも冬のインフルエンザの時期になると皆マスクを付けるのかもしれません。
     以前から「咳エチケット」が推奨されていましたが、そうしない方々もいらっしゃいました。今回のことで、そういう方も減るのかもしれません。
     この他、いろんな事が変わる可能性があります。今まで中々動かなかったことが、これを切っ掛けに漸く動き出すかもしれません。いずれにしても一日も早い終息を願うばかりです。

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