「はやぶさ2」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「はやぶさ2」

 短歌投稿欄で見つけた。「3億キロ飛行して到達した小惑星リュウグウに、探査機“はやぶさ2”は絶妙のコントロールで着地した。これは自分の目薬の着地よりはるかにうまい」という内容だった。短歌というのは五七五七七でリズミカルに心を表現できるのだと感心した。いつか、はまるときが来るかもしれない。

 

 テレビ番組ではやぶさ2が自律的に地表を観察して降下し着地する経路を見た。はやぶさから送られてきた位置データに基づいて描かれた降下の軌跡は驚くべきものだ。神経質なほど手探り状態で判定を下して徐々に地表に近付き、あらかじめ投下してあるターゲットマーカーとの位置関係を確認しつつ、ここだという地点で一挙に高度を下げていった。そして、地表に着いたのとほぼ同時に地表の岩石サンプルを採取し、再び離陸した。

 

 あれほどうまくソフトランディングできるものなのかと感動している。入念にリュウグウの周囲を回り細かに観察するところから着地プロジェクトは出発している。このような情報収集が大切だったのだと思う。そして地形情報を的確につかむセンサーも優れていたのだと思うし、その情報に反応する制御機能も優れているに違いない。

 

確かに国際宇宙ステーションISSに輸送用の連絡船がドッキングするシーンではマジックハンドのような手がISS側から伸びて、そっと引き寄せ、本体にドッキングさせている。これもすごいが、リュウグウの岩石がいっぱいの表面に着地するはやぶさ2の自律的な制御はすごい。未来を感じた。

 

はやぶさ1の“経験を踏まえた上での知恵”の集合が見事花開いたと思う。……LCAに携わっていても経験の積み重ねが大切だと痛感している。……LCAソフトGaBiも“経験を踏まえた上での知恵”でできたものだ。……解析作業でもじっくり解析対象となる原料やプロセスを見るところから始まって解析モデルの作成に至るまで、経験豊富な先人たちから教えられることは今でも多い。

 

 はやぶさ2はこの夏に2度目の着陸を試みた後、地球への帰路に就く。

 

46億年前の太陽系とはどんなだったのか?わかるのはたしか2020年。(C)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    リュウグウにクレーターを作るために上空から狙いを付けて爆発物(?)を発射する様子をテレビのニュースで見ました(実写映像だったか解説用の映像だったか忘れましたが・・・)。すごい技術なのでしょうね。

    テレビのゲストが「これは軍事転用できるのではないか」と発言していました。遠隔操作で上空から攻撃するのは確かに可能なような気がします。

    どうか、これらの技術が平和利用にとどまることを願っています。あるいは地球を守るために、衝突しそうな大きな隕石を狙い撃ちするのに活用できればよいですね。

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