「オーバーシュート」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「オーバーシュート」

 歯茎が腫れてしまった。歯医者で定期検診を受けたときに、「左下歯茎に血の気配あり」。よく歯茎と歯の間の汚れを取るように指導された。ブラッシングする時間が短いのではないかとアドバイスも受けた。

 

 左下歯茎の炎症は自分でも気にしている箇所なのだ。歯磨き増量モードのON-OFF制御スイッチを押した。歯茎の磨き方が足りないと言われているらしい。「歯茎が弱っているから、鍛えなくては」と勝手な理由を付けてごしごし磨いたのが逆効果となった。対応行動がオーバーシュートしているのだ。やりすぎてしまったのだ。

 

 昔、侍は塩で歯を磨いたということを聞いたことがある。殺菌にもなるだろうから塩で磨いて、歯茎への効果を3割ぐらい上げようではないか。……などとも思っていた。

 

 改善されないので、歯医者にまた駆け込む。即座に「歯茎が悲鳴を上げているではないか。塩でごしごし磨くのは禁止」という宣告を受けた。「歯と歯茎の境を時間をかけて掃除することをアドバイスしたのであって、歯ブラシで傷をつけるなどもってのほか」。

 

 ON-OFF制御で矩形波の立ち上がりで余分な思いを込めて力をいれすぎる。だからオーバーシュートしてしまうのだ。これではいつまでたっても、安定した目標値の上下を往復するハンチングが続いてしまう。反省せよ。科学の世界に根性論を持ち込んではならない。

 

LCA(ライフサイクルアセスメント)では、現在の状況を冷静にみて、環境負荷のレベルを計算し、環境負荷の出所を探し、環境負荷を減らすための効果的な仕組みを提案している。幸い、根性論に頼ることなく、対象システムをモデル化していくことがポイントだ。解析自身はON-OFF 制御の世界ではないので、解析結果がオーバーシュートすることはない。

 

有名なタレントが口の中にしこりがあることを公表し、世の中で口の中に関心が集まっているタイミングだった。ニュースに過敏すぎたのも今回の失敗の一因かもしれない。学んだ制御理論も忘れている。自分の行動において学びを実践していない。

 

心をもう少し高度に制御し、オーバーシュート行動をなくしていきたい。(C)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    子供の頃、祖母が塩で磨いているのを見たことがあります。歯磨き粉がなかった時代には塩で磨くのが主流だったのでしょうね。

    先日、久し振りに歯の治療に行ってきました。私にしてはめずらしく2年程、歯医者は無縁だったのですが、虫歯でした。それ以前は毎年1度は歯医者にお世話になっていました。

    ほとんど歯医者のお世話になったことがないという知人がいますが、虫歯菌に対する抵抗力が優れているのでしょうね。うらやましい限りです。

    適切なブラッシングを心掛けていつまでも自分の歯で食事をとりたいと思っています。

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