「ゴッホ」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「ゴッホ」

 ほんの数分テレビで見ただけのことだ。そして、どこの国の活動かは知らないけれど、ゴッホの作品をベースにしたアニメ制作の話しだった。画面全体がゴッホの独特のつやのあるタッチで描かれている。

 

 完成しているアニメの一部が紹介されたが、あの、キャンバスに絵の具を押し付けるような、勢いのある筆アトが画面いっぱいに広がる。アニメというのは少しずつモノや人物が動く画面を一つずつ撮影し、つなげて一連の動く動画としてまとめることは知っている。しかし、全ての画面を油絵で描いて、しかもゴッホ調というのは、想像もつかなかった企画だ。ゴッホ風に絵筆を扱える画家を揃えるだけでも大変なことだと思うし、100人ほどの画家がゴッホを描いているというのも不思議な光景だ。

 

 このアニメ、どのようなストーリーで、どのような展開なのかその物語性は一切わからないが、画面がゴッホが描いたように見えるということだけでも話題性がある。

 

 数年前にアムステルダムのゴッホ美術館に行ったとき、教科書に載っていた絵の実物がみられるという幸せを感じた。子供の頃は雑なタッチと誤解した画面は、大人になってみると全体として調和し、絵筆の跡が立体的に光っていて、絵が語りかけてくるような気配さえ感じた。世界中で人気があるのも当然だと思ったものだ。

 

 アニメというのは、どれも実は気が遠くなるほどの細部にわたる画面作りが大切なのだろうと思う。それを油絵で、しかもゴッホになり代わって描くという執念とも言える製作者の意図と、画家たちのゴッホ絵画分析力に敬意を表したい。アニメ化された動くゴッホ作品はダイナミックで、緻密であり、画家の熱気すら感じた。

 

 LCAの解析でもゴッホ調の油絵を描く画家のような緻密な作業が行われている。各データの収集先を確認し、各物質の移動確認し、そして一段上の視点から解析する。ゴッホ調のアニメの中で黒いいくつかの点が羽ばたいてカラスとなり頭の上を飛んでいく場面があった。LCAでも同じように物質が姿を変える一生を追跡して見ることができる。

 

 新しい試みに挑戦する画家集団に正当な評価が与えられますように。(C)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    私は絵については、よくわかりませんが、バブルの頃、確か安田火災がゴッホのひまわりを購入した、というニュースを思い出しました。

    「ひまわり」といえば、その昔、ソフィアローレン主演の映画がありました。とても良い映画で印象に残っています。戦争で出征し生き別れた夫婦のストーリーだったかと思いますが、広大なひまわり畑が印象的でした。このような悲劇が2度と起こらないことを願っています。

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