「これも囲碁」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「これも囲碁」

 人工知能が、もしも人間として身近に姿を現したらどんな性格の人なのだろうか。まだ実現していないのでわからないが、興味はある。

 

 新聞紙上に紹介されていたAI(人工知能)「アルファ碁」同士の対戦譜50局の棋譜を追いながらのプロ棋士二人の感想を読んだ。

 

 5月に世界最強棋士に3連勝したソフト同士の勝負だから、プロの棋士としても大変感心する盤面が50局の棋譜の中にはあって、ソフトの頭脳、即ち人工知能の読みの深さに感銘するコメントで満ち溢れているはずだ。……ところが、アルファ碁の棋譜から二人は新鮮な感動を受けているとは思えなかった。「アルファ碁同士の棋譜は並べるのが大変だね。プロは次の一手はここだろうと見当をつけて探す。ところが候補手にない手を打たれる」という最初のコメントにも驚いた。多分人間とAIでは……何かの次元が違うんだ、多分。「人間界では悪手とされていた手が続出」「人間には打てないポジションですよ」「アマチュアにはおすすめできない」などのコメントが次々と出てくる。

 

 アルファ碁は対戦相手の集中力を揺さぶるような手を打つらしい。プロ棋士からは「手を抜いたりまた戻ったり、そういう微妙な雰囲気の手が多い」というコメントもでている。“前やうしろや右左 ここと思えば またあちら 燕のような早業に ……”(牛若丸)という状況も想像される

 

 AIは今後自動車の自動運転や産業機械、工場管理などへ進出してくることが予想されている。研究論文や解析レポートをAIがまとめあげる時代もいつか来るに違いない。将来のAIには論理の道筋を人間に説明できるレベルまで成長して欲しい。

 

 ゲームの世界ではどうして石をそこに置くかを解説するのは無粋なことかもしれないけれど、ビジネスの世界では、「人工知能が指示していますので」とはなかなか上司に言い難い。人工知能との付き合いがストレスになりそうな予感がする。

 

 説明できるクリエーティブな思考はあるのだろうか?……(L)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    私は、碁はしませんが、将棋には興味があり、毎週日曜日のNHK将棋を欠かさず見ています。但し全然上達しません。プロ野球を応援するのが好きなケースと同様とお考え下さい。

    将棋でもトップ棋士がコンピュータに歯が立たない状況となってきており、若手棋士は練習でコンピューターを取り入れているようです。あの藤井四段もそうだと聞きました。人間では考えつかない手が飛び出すので、プロ棋士もたいへんだと思います。

    その昔、羽生さんが、他のプロ棋士が思いつかない手を繰り出し「羽生マジック」と称賛されていましたが、現在のAIが繰り出す思いも及ばない手に似ています。羽生さんは頭脳は進んでいたのでしょうね。

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