漁業でよく聞く港町勝浦の朝市に行ってきた。素朴な地元の売り手と買い手の世間話を交えた会話が耳に飛び込んでくる。久しぶりにのどかな気分になれた。
放映中の大河ドラマ「おんな城主 直虎」にもよく“市”の風景が出てくる。人はこんな風に市場という場所を借りながら、コミュニケーションをとっていたのだなあと妙に合点がいった。道の両側に仕入れた魚介類や自家製の野菜、雑貨も含めて日常目にする品々を通じて人と人とのふれあいがある。市場が開催されている街並みは、道幅が広すぎず狭すぎず絶妙だ。そして、露店の間隔も適度な密度だ。
「鶏小屋に吊るしてもいいの……」「試してみる?」「……ほかの店も見てみよう……」「あの人は今ネ……」などの話の切れ端が耳に入る。空ではトンビが飛びながらピーヒョロ、ピーヒョロと朝市の雰囲気を盛り上げる。(童謡「とんび」で「鳴け鳴けとんび 青空に ピンヨロ ピンヨロ ……」と歌っている。本当に飛びながら大きな声で飛びながら鳴くのだということを知ったのも、私にとっては新鮮な体験だった。)
今、スマホが情報ツール、コミュニケーションツールとなっている。ビジネス関連ではスマホの文字情報は欠かせないのかもしれないけれど、もっとフレキシブルな“朝市”会話のようなコミュニケーションツールがこれから生まれてくるのかもしれない。
米フェイスブックは4月、頭に思い浮かべるだけで相手に意志を伝えるコンピューター技術の開発を進めていることを明らかにした。もしも、実現したら……と考えると嬉しいような恐ろしいような気分だ。先ず脳の活動を読み取る。当面の目標は「数年以内に脳から1分間に100単語の入力を可能にすること」だという。スマホで入力できる文字は英語の場合1分間で20単語ほどで、フェイスブックの目標は文字入力の5倍の速度だ。
会話をしのぐスピードで文字入力によるコミュニケーションが行われる。ひょっとするとすぐ話し相手のリアクションが分かって気持ちがいいかもしれない。
海岸は爽やかだった。風に乗り空を舞い飛ぶ“とんび”の姿が目に浮かぶようだ。(L)
6月 23rd, 2017 at 12:55 PM
「頭に思い浮かべるだけで相手に意志を伝えるコンピューター技術の開発を進めていることを明らかにした。もしも、実現したら……と」 これは正直嫌ですね。これはやっぱり不都合ですよね。それにしても科学技術の進化は凄ましいものがありますね。
勝浦朝市には行ったことはありませんが、勝浦には行ったことがあります。関東地方ではCMで有名な「ホテル三日月」があるところですよね。確かアクアラインを渡って行った記憶が微かに残っています。懐かしく思い出しました。