「伝聞解」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「伝聞解」

 正月早々、身内けがをしてしまった。個人の手では致し方なく、病院に駆け込むべく救急車を始めて使った。119番である。

 

 119番を気軽に病人の搬送にお願いするのは他の命にかかわる患者さんの迷惑になるので控えた方が良いと聞いたことがあるので、まず介護タクシーなど当ってみた。正月であり、しかも夜なので介護タクシーの空きがない。

 

 初めての119番……消防庁から明瞭な応答があった。「火災ですか救急ですか?」。「救急です。」「救急に向かう場所を教えてください。」「○○△△です。」「分かりました。今から救急車が向かいます」

 

 それから1分も経っていないのではないかと思う。電話した自宅電話に救急車から電話が入った。「現在向かっています。間もなく到着しますが、現場ですぐに活動できるようにあらかじめ状況を聞いておきたいと思います。事故の原因と状態の説明をお願いいたします。」一連のきびきびした対応で私の心も落ち着いた。

 

 救急車のサイレンがかすかに聞こえたので、目印に外に出て手を振っていると、サイレンを止めて私の前で止まるとともに救命救急士が飛び出した。救命救急士のチームはさすがと言うほかはない。患者の痛みに配慮しながら、指揮する人ははっきりした口調で仲間に対処を伝える。チームとして乱れることなく対応していた。クール・ジャパンだ。

 

 LCA(ライフサイクルアセスメント)の場合でも実はコミュニケーションが大切だ。コンサルティングの場合、モデル作成段階や、データ採取の段階で依頼者にクリアな質問をすれば、依頼者からは価値ある反応(返答)をいただける。明瞭な情報の受け渡しが大切だということをこの正月に救急車にお世話になったことで改めて感じた。

 

 救命救急士のようなきびきびした対応は当分の間AIが発達したとしても無理だろうと思う。ロボットにこちらが話したことをオウム返しに返事されてもまどろっこしい。実のあるコミュニケーションは気持ちが良い。実のあるコミュニケーション……伝聞解。

 

今年のモットーは「伝聞解」だ。正しく伝え、よく聞く。ありのままを理解する。(C)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    お正月早々たいへんでしたですね。ご回復状況は如何でしょうか。ブログをアップされたので少しは落ち着かれたものと思います。

    救急救命士の皆様の迅速で的確な行動は、確かに日本が誇るべきクールジャパンの一つかもしれませんね。素晴らしいです。

    「伝聞解」とはpeasia様の造語なのでしょうか?AI、IOT時代だからこそ人と人との‘実のあるコミュニケーション’が大切なのですね。 素敵な’モットー’だと思います。

    早期のご回復を願っております。

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