「贅沢」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「贅沢」

忘れたいことが多かった1年だ。1月、2月、6月、8月、9月、11月のあれとそれと……を忘れたいものだ。とはいうものの、今の私は、覚える事よりも忘れることが多いので、ある意味非常に心配している。忘れたいとは贅沢な言い回しなのかもしれない。

しばらく音信のない人の名前はすぐに忘れるし、俳優や歌手の名前も昔ほど覚えていない。頭の中には並はずれた記憶抹消機能があるらしい。その割に昔のことを覚えているというのはどういうことか。

若い頃、米国駐在から一時帰国する時には数限定の和風機内食がたのしみだった。米国にも醤油や、米はあって、日本風の味付けに飢えていたわけではないのだけれど、食事の種類を聞かれると迷わず日本食を頼み、シートの背もたれの頂部に日本食というステッカーが貼られると安心して機内の心地よい振動に身を任すことができた。幕の内風の機内食は料亭やレストランのようなレベルではないのにあの満足感はなんだったのだろう。

今年124日、アゼルバイジャンのバクーで開かれていた国連教育科学文化機関(ユネスコ)の政府間委員会は、日本が提案していた「和食 日本人の伝統的な食文化」の無形文化遺産への登録を決定した。

(1)正月や田植えなど年中行事との密接な関わり

(2)四季や地理的多様性による新鮮な山海の幸

(3)自然をあらわした美しい盛り付け その他

日本からの提案書では、和食を「自然を尊重する日本人の精神を体現した食に関する社会的慣習」だと説明し、いくつかの特色を添えていたのだ。この特色はよく選ばれている。飛行機の和風機内食で感じたヤヤくすぐったい“日本人としての贅沢感”と符合する。幕の内弁当風の盛り付けを見て、サトイモの煮つけなどおそらく外国の人は食べないだろうと思ったし、小魚なんて西洋料理にでてこないとも思って味わっていた。

和食は素材の新鮮さや産地、それに手際よい調理方法にこだわっているという。LCAでも材料と加工工程の把握が大切だ。和食料理が上手なひとはLCAにも長けているのかもしれない。(L

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    いや、本当ですよね。私の方がもっと物忘れがひどいかもしれません。
    例えば、1年間程、某会議体でご一緒した方の名前を、その会議体を抜けて1年も経つと、もう名前を忘れている状況です。1年間もご一緒したのに、その1年後に忘れるなんて、どういうことでしょうか。
    まぁ、忘れても仕事や生活に影響が無ければ、問題ないのかもしれませんが・・・。

    さて和食ですね。本当に素晴らしいと思います。もちろん生まれてこの方、ずっと食べ続けていますので、ひいき目にはなってしまいますが、第三者的に冷静にみても、世界一だと思います。繊細な味付け、ヘルシーさ、色彩・・・ 等々、素晴らしいですね。

    日本は、和食だけでなく四季折々の景色も素晴らしいですね。ただ近年は、夏から急に冬になり、秋が短い感じがします。残念ですね。夏と冬の厳しさだけが際立っているような気がします。
    これも地球温暖化の影響でしょうか。心配です。LCAを活用して温暖化による環境負荷を減らしていかなければなりませんね。

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