「生命の源」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「生命の源」

 探査機「はやぶさ2」が採取した小惑星「リュウグウ」のサンプル分析で分かった。「生命の源になる有機物や水が隕石で地上まで運ばれた可能性が高い」という。太陽系が誕生した46億年前の特徴を保っていたリュウグウの砂粒から推測されている。

 

 太陽系外でつくられた有機物や水が地球に運ばれたという発想も今回の研究で裏付けされるかもしれない。

 

 リュウグウで採取したサンプル、つまり採集した微粒子は「水を含んだ鉱物の中に“脂肪族炭化水素”が多い有機物が詰まっている」構造が確認できたという。水を含む鉱物ができる際に周囲の有機物を取り込んだらしい。

 

 サンプルには粒が粗い形状の「ケイ酸塩」が含まれている。海洋研究開発機構の研究者によると、「粒が粗いケイ酸塩は熱などに強い。水や有機物を地上に運ぶ役割を果たした可能性がある」という。含まれていた有機物はセ氏30度以上の温度で分解してしまうが、ケイ酸塩を含んだ粗い構造の鉱物が「水と有機物」のゆりかごの役目を果たした。……と推測がつながる。

 

 1960年代に12基が打ち上げられたジェミニ宇宙船を思い出す。搭乗/再突入部分の形状は円錐/漏斗型である。円錐/漏斗の底辺部分に搭乗者が入る。この再突入部はチタンなどでできている。円錐底部の皿型の底部を空気層に向けて、突入し、地球帰還をはかる。底部の耐熱シールドは浅い皿型の形状で高熱で溶解気化する樹脂を染み込ませたガラス繊維(アブレータ)などでできている。アブレータの気化潜熱により、大気圏再突入時に機体の冷却を行うという優れものだ。そして搭乗者(水と有機物)は無事地上に戻ってきた。

 

 ジェミニ宇宙船のことを思うと、ケイ酸塩製の鉱物カプセルは中身を守りながら地球に水と有機物を運んでくれた宇宙船のようなものだ。地球上の有機物の生成については研究途中であり、結果はまだ分かっていない。どのように生命が誕生したのかも今後さらに研究される研究テーマだ。まだまだ夢は続く。

 

 高熱の中でも、モノを移動させる技術。まだ、未開拓の技術もある?(A)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    「生命の源になる有機物や水が隕石で地上まで運ばれた可能性が高い」となりますと、太陽系に運ばれた「有機物や水」はどこから太陽系外のどこからやって来たのでしょうか。
    そもそも宇宙の始まりにおいて「有機物や水」はどこでどうやって作られたのでしょうか。また地球と同じような生命体が存在する星は必ずどこかに存在するのでしょうね。いろいろと疑問が出てきます。
    いずれは他の星との交流が必要になってくるかもしれません。地球の中で争っている場合ではありませんね。

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