「温度差」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「温度差」

 3月16日午後11時半ごろ宮城・福島地域で大きな地震が発生した。東京でも揺れている時間が長かったので、家具など倒れないように手を添えていた。

 

 この地震のために関東の9都府県で一時約210万戸が停電した。火力発電所12基が揺れを感知して止まったことで、一時的に電力供給を遮断するシステムが作動したためだという。電力は発電量と需要量が一致しないと、電気の周波数が乱れて広域停電につながる。

 

 ウクライナではロシアの攻撃に耐えて電力や通信網が細々だと思うけれど機能していることが驚きだ。あれだけ、エネルギー関連施設に攻撃を受けても、なぜか電気が通じ、スマホでの情報発信も行われていることにウクライナのしたたかさを感じる。

 

 地震で停電になり、復旧にそれなりの時間がかかる日本と何か違う電力システムをウクライナは備えていたのだろうか。

 

 温度差を生かす「熱電発電」という記事を見た。かつてはレアメタルなどを使って発電するものだと思い込んでいたが、最近ありふれた鉄や、アルミ、シリコンなどでも熱電発電素子が作られているようなのだ。物質内の温度差が電圧に変換される現象「ゼーベック効果」が簡単に手に入る金属で確認されている。金属面の片側を体温で温め、他方を空気で冷やすことにより発電できる。未利用熱を有効に使う技術として大いに期待したい。

 

 これから起きる可能性のある天災を考えれば、どのような状況にあっても、電力供給を維持できる仕組みを構築していくことが大切なように思われる。熱電発電では主力の電力源にはならないが、微小発電手段を多様化する観点では“多少”貢献できる。

 

 モノのインターネット」(IOT)において、システムは無数のセンサーを使い、互いの情報を利用しながらインフラや社会システムを安定的に利用する。この無数のセンサーに電源を供給しようとすると、配線や工事が大変な作業になる。こんな時、熱電発電は配線なしでセンサーに電力を提供できる。つまり、電池のいらないセンサーが誕生する。この分野では“大いに”貢献できる。

 

 温度差は周りにいっぱいあるように思う。温度差は宝かもしれない。(C)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    「温度差」は確かに周りにたくさんあります。身近なところでも本当の意味での温度差があります。暑がりの人、寒がりの人がいますので、職場の温度調整もたいへんです。
    ちなみに私は寒がりの方なので、いつでも着込めるよう用意しています。

    温度差は必ず存在するので、これを上手く活用できると良いですね。「熱電発電」という技術があるのですね。温度差による衝突は避けて、有効活用で明るい未来を築いていきたいですね。

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