「上空の目」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「上空の目」

 ドローンや衛星の話が面白い。コロナで地上は騒々しいが、空から見る気分になれば心が落ち着くのではないだろうか?…などと考えながら、気分転換をはかる。

 

 個人的な記憶で恐縮だが、子供の頃米国で小型飛行機が農薬を散布している写真を見て大変驚いた。スケール感が全く違う。将来農業はこんな風に変わるのだろうか?…などと現実と未来のギャプにただ唖然とした。

 

 今、日本ではドローンを使った農業が黎明期を迎えている。ドローンで農薬や種を水田や畑に散布する。画像などで収集したデータを分析して作物の成長を分析する。稲をいつ刈り取るべきか、葉の色はどうか?何の肥料が不足しているかも一目瞭然だという。その結果広い範囲で一定の品質の作物が収穫できるようになる。農業を経営する人はドローンや人工衛星からの情報を端末でチェックし判断を下す能力が必要になってきている。

 

 先日、ミカン農家の日常を映したニュースを見た。山の斜面に育てているミカンの成長の具合や、害虫の影響などを作業ルームに配置された複数のモニターでチェックしている。いくつか並ぶ端末にはドローンからの映像も混じる。まるで鉄道の路線状況監視ルームのような感じである。

 

 東京の調布市で昨年10月に道路が陥没した。住宅地での陥没だった。東京都心部渋滞を緩和するための東京都外郭環状道路(外環道)のトンネル工事に因果関係がありそうだ。深度47メートルの深さを掘削して、どうして地上で陥没がおきるのかを解明し、予防策を至急とる必要がある。上空から撮影した地形データを入念に検査すべきなのだ。掘削中のトンネルの中で判断してはいけない。上空からの視点を忘れるなという教訓だ。

 

 比較的安価な小型人工衛星をいくつか連携させてデータを解析することができるようにもなっているという。人工知能(AI)で解析して防災やマーケティングに役立てる。きめ細かいデータが収集できる。空からの目が防災にも役立つ。最近、力をつけてきているAIと上空からの情報のコラボに期待している。人間社会の伝承や個人の直感に代わってAIが活躍する時代はそこまで来ているような気もする。

 

 あの山際に家を建てるのは豪雨災害に巻き込まれる可能性あり。…とAIが言う。(L)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    ドローンにより仕事や生活が大きく変わりそうですね。危険な場所での作業、負担の大きな作業など人間に代わって大活躍してくれそうですね。

    また、室内を飛び回る小型のものから空飛ぶ自動車まで様々なサイズ・様々な目的のドローンが実用化されつつあり、世の中を劇的に変えていく予感がします。

    一方で武器にもなり得るので、その点は気がかりですが、どうしても軍用と民生は両面で進化していくので注視が必要ですね。平和的利用が優先されることを願うばかりです。

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