「第二の脳」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「第二の脳」

 腸は第二の脳だという説がある。自覚はないけれど…腸に世話になっている。確かに、腸の入っている“腹”はヒトの存在そのものだ。「腹をくくる」は「覚悟を決める」ということだ。ここでいう「腹」は、「心」と「意志」を意味している。

 

 食事を済ませるとなぜ満足感がわくのか。空腹になるとなぜイライラして集中力が落ち、行動が雑になるのか。こんなことを考えると、生命維持のために腸が必要な物質を管理しているという説、つまり腸が第2の脳として生物体の中で機能しているという説……になびく。

 

 腸には密にネットワーク化した神経細胞があり、脳の神経細胞と基本的に変わらない。脳では神経と神経をつなぐ神経節(シナプス)ではセロトニンとかドーパミンなどの脳内伝達物質の伝達で信号の授受が行われる。腸のシナプスでも脳と同じような物質が信号の授受に関わっているという。

 

 地球上に誕生した最初の生き物には脳などなかった。神経系が備わった最初の生物は、イソギンチャクのような単純な腔腸生物だ。臓器と言えるものは腸だけ。その腸が「栄養を摂り入れ、生き延びる」という生物の根源的な判断を行い、進化の軸を支えてきた。

 

 腸は、生命活動の幹であり、生きる知恵のルーツといえるかもしれない。腸が命を管理してきた。命を維持するために腸全体の細胞に情報伝達物質を使って取り込まれた物質情報を伝達し、的確な消化・吸収を行ってきた。

 

 神経の塊である脳が腸からできたのは進化のずっと後のことらしい。生物学的に言えば、腸は第二の脳ではなく、第一の脳と呼んでやりたいという学者もいる。

 

 コロナ禍はおさまる気配がない。しかし、ヒトは“脳”で考えられる努力を毎日続けている。マスクをつけ、不要不急の外出も自粛している。コロナに立ち向かうのにヒトがすべきことは別のところにあるかもしれない。“第二の脳”にすがって、命を守るために体力維持に努めるのはどうだろうか?

 

 沼でミジンコを食べている腸だけの生物、“ヒドラ”の生命力が手本です。(L)

 

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    腸だけの生物がいるのですね。とすれば腸が第一の脳であり、人間は第二の脳である‘脳’が特別に進化した生物と言えそうですね。コロナの感染が収まらないですね。第一の脳、第二の脳をフル活用して乗り越えていきたいですね。

コメントをどうぞ