「E.T.の時代」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「E.T.の時代」

 偶然テレビで「E.T.」を見た。ずいぶん古い映画であるが、自転車に乗った少年とE.T.が空を快走するシーンにしびれた。そして70年代のアメリカの田舎町はこんな感じだったのだと懐かしい気持ちにもなった。

 

 少年たちがゲームに夢中になっているシーン。電話コードが何メートルも伸びる受話器で1人の少年が話していた。今スマホの時代だから、コイル状の長い、長い蛇のような受話器コードなど目にすることはない。受話器だって携帯電話に比べればごつい。

 

 E.T.は郊外の林に着陸した宇宙船から遠く離れて活動していたために、危険を察知して急遽離陸してしまった宇宙船に乗り遅れ、地球に取り残された。場所は郊外の住宅街だと思う。高台の林のはずれから眺める街の夜景は、道路照明がきれいに並ぶ整備された街に見える。大きな事件もなく過ぎていく普通の街。

 

 E.T.が隠れていた主人公の少年がすむ家は特別豪華ではない。けれど、日本の住宅事情からすると羨ましいような広さを持った平屋建て。玄関までのアプローチも舗装されており10メートル以上はあるだろうか。空間にあふれた住宅が羨ましい。

 

 家の中には大きな冷蔵庫があって、部屋に付属の物置スペースはE.T.が身を隠す絶好の空間となった。主人公の妹が集めているお気に入りのぬいぐるみに埋もれて甲羅のないカメのようなE.T.は身を隠している。

 

 E.T.を救出に来た宇宙船にE.T.を連れて行く自転車に乗った少年の一団と、少年たちを追いかける警察のパトカー群の追跡が面白い。パトカーはスマートな昔のアメ車スタイル。急旋回すると車体が大きく傾くような、柔らかいサスペンションを持った車両だ。懐かしいアメ車を見た。現代の都会を走る車はずいぶん進歩していることがよくわかる。

 

 器官が停止しそうなE.T.を治療する医師団の姿は現在のコロナ重症患者を治療する医師団にも似ている。死んだと思われたE.T. の胸が赤く輝いて蘇生する様はコロナを克服した重症患者に見える。今に通じる景色だ。

 

 SFファンタジー映画をみて、しばし、コロナや洪水ニュースを忘れて過ごした。(L)

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    昔の映画を見ると、その時代に使っていた生活用品や乗り物、ヘアスタイル等、当時を思い出し懐かしさが蘇ってきますね。ETは確か、私が社会人になる直前の学生時代に流行っていたのではないかと記憶しています。

    その頃は、感染症のパンデミックで時代が変革するような事態が生きている間に起ころうとは夢にも思っていませんでした。
    ひと時でもコロナのことを忘れて過ごしたいですね。一日も早い終息を願うばかりです。

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