「結合」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「結合」

6日ノーベル化学賞が決まった。根岸英一・米パーデュー大学特別教授や鈴木章・北海道大学名誉教授ら3名が開発した「クロスカップリング反応」は、日本でも化学工業会の要となる有機合成で世界をリードする原動力となっているという。なぜか自分のことではないのに、日本人が受賞するとうれしい。

 

クロスカップリングとは、本来、結合させるのが難しい2種類の異なる化合物同士を結合するものだという。クロスカップリング反応は使用する触媒の種類により、実は、何種類もある。

根岸氏や鈴木氏はパラジウム触媒を使用し、クロスカップリングで副産物などの生成のない、目的の反応だけを効率よく達成できる手法を改良した。特に、鈴木氏は化合物同士をくっつける「接着剤」の役目として有機ホウ素化合物を採用した。その結果、水中でも空気中でも、有機化学の専門家でなくても、容易に化反応が進められるように改良された。

 

産業用に適した「汎用性」のあるクロスカップリング反応が実現したのだ。液晶パネルや有機ELの素材、医薬品や農薬の合成など新しい物質をつくり出し、我々の生活を豊かなものにしている。身近な例で見ると、液晶テレビがこんなに広く普及している時代になったのはこの「クロスカップリング反応」で化合物同士を結合したおかげだ。今回の受賞がなければ、液晶素材をつくること自体が「日本の知恵の塊だ」とは気づかなかった。

 

LCA(ライフサイクルアセスメント)解析モデルでもサービスや製品製造の過程のプロセスをいかに理にかなった方法で結合するかに注意を払う。情報のクロスカップリングの連続かもしれない。

LCAコンサルタントとしてお客様に対しては、余分な副産物(ゴミ情報)を生み出さず、“効率よく”目的の解析が出来るように、「パラジウム触媒」になりたい。さらに、LCAが企業内で“簡単に行える”ように有機ホウ素化合物の「接着剤」の役目も果たしていきたい。どこでも、誰でも、何にでも利用できるLCA普及を目指したい。

 

今回のニュースを機に、「結合」が全ての産業や社会システムでも大切なカギになっているのだと、あらためて思いを巡らせている。「結合」は寄せ集めるだけでなく、新たな機能や効能を生み出すことだ。液晶素材を生み出すように。(A

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