「仮定法過去の願い」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「仮定法過去の願い」

最近、将来に夢を持てるような、そしてインパクトのあるニュースが少ないように感じる。そんな中で準天頂衛星「みちびき」が911日に打ち上げられ、27日予定の運用軌道に入ったと発表された。一粒のタネがまかれた。12月から約100社・機関が利用にむけた実証実験を始める計画だという。新しいシステムの可能性と限界を全て洗い出してもらいたい。

 

実証実験の狙いは高精度の位置情報をどう利用するかである。現行のGPSの衛星とみちびきの情報を組み合わせればカーナビの位置精度を10倍以上高めることができるという。

新聞で紹介されているユニークな実証実験では、測位信号の受診端末を持った子供たちを想定し、数メートル精度で居場所を特定する「見守りシステムの実験」や無人農機で種まきなどを自動化する「次世代農業の実験」も予定されているようだ。各地の名所に立つとその場で見所を解説してくれる「観光案内システムなどへの応用」も実験される。

 

地球温暖化防止に向けて、CO225%削減することが政府目標になっているが、環境保全、環境問題対応とこの準天頂衛星の効能(原子時計による時間情報、正確な位置信号など)が絡み合うと、社会に対するインパクトもあり大変素晴らしい構図なのだが・・・。実証実験は宇宙開発の目的「安全で安心な社会の構築」「経済社会への貢献」という枠組みで実証実験が選定されているのだと思う。実験結果から地球環境問題対応、環境保全、省エネなど身近な環境問題解決の糸口が生まれる可能性はないだろうか。

 

高精度の位置情報利用と環境問題の解決がドッキングできたらと、勝手に思いをめぐらしている。英語の仮定法過去形式の願いレベルの願望に過ぎないことは承知している。測位システムと環境問題とのつながりは薄いであろうことは想像できる。でも、“もし”環境問題改善に寄与できるのなら、従来のシステムと環境という側面から比較してみたいものだ。もちろんLCA(ライフサイクルアセスメント)で。

 

  準天頂衛星の打ち上げ実現には、私の友人もかなり深く係っていた。今回、実験機が打ちあげられてよかったと思う。これからの実証実験で数々の希望を生み出してくれることを祈っている。仮定法過去の願いもまたしつこく抱いている。(L

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