2008年12月の新聞記事が出てきた。「2009年は量産化された電気自動車が町中を走る「元年」になると書いてある。記事はエコカーの時代を見ている。2009年の12月なので、振り返ってみると一般ユーザーの間ではハイブリッドカーはその存在が認められた年である。一方、電気自動車にはまだハードルがあるように思われる。
電気自動車の素性のよさは十分理解したうえで、気になっている点が2つある。走行距離が比較的短いこととエアコンやヒーターを入れたときの走行距離の減少である。この2つの課題を解決するために、ガソリンエンジンを補助的に積んだEVというのはどうだろう。
自動車は「移動」機能と「快適なプライベート空間」機能を提供していると考える。「移動」機能は「バッテリー」-「モーター」系で構成される駆動力システムで実現し、「快適なプライベート空間」機能は補助エンジンを主要素とした温度マネージメントシステムで実現する。補助エンジンはバッテリーの充電にも使用する。
基本的に、シリーズ型ハイブリッドシステムのコンセプトとダブってしまうが、しいて特長を挙げれば、
①あくまでも電気自動車としてモーターやバッテリーの開発が継続的に進められること。②電気から熱に変換する効率の悪さをすて、経験豊富なエンジン技術を使い化石燃料を室内温度マネージメント熱源に利用する新システムを開発すること。
③電気自動車だといってわざわざ低速域で擬似エンジン音を作る必要はないこと。
である。
今まで駆動目的のエンジンでは排熱がムダであった。EV補助エンジンではバッテリーの充電に使うほか、室内環境快適性目的にユニットとしてエンジンの排熱をうまく利用するという目的が加わる。エンジン自信の設計コンセプトが変わるかも知れない。
このようなシステムは本当に環境負荷が少ないのかLCAで検証してみたい。このような考え方を持っている自動車メーカーの方々、一緒にやりませんか。
230MPGと発表したGMのボルトの燃費性能に対して米消費者団体専門誌コンシューマー・リポート電子版は「世紀の誇張の可能性がある」と酷評し、「誤解につながる発表は誰のためにもならない。GMはリスクを生み出している」と警告を発している。
第三者から疑念をもたれることがない決定版のLCAを行いたい。補助エンジンつきEVを対象にして。(A)