「シャッターチャンス」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「シャッターチャンス」

壁紙やふすまを張り替えている若い経師屋が午前・午後のお茶の時間や昼休みに、空を見上げている。宇宙のかなたと交信しているわけはないし、不思議な光景だ。何を探しているのだろう。

「実は、昨日壁紙張り替えに来た時、この家から悠々と飛ぶ旅客機を見ました。きれいに形が見えます。ここは飛行ルートがよく見える所です。」「飛行機が飛んでいるのを見るのが好きなので 2 日目に念のためにカメラを持ってきて、休憩時間に空を見上げ、シャッターチャンスを狙っていたのです。しかし、残念ながら今日は見えませんでした」ということだ。 2 日目は、あいにく雲が出てしまったためか飛行機は見えなかったのだ。

鉄道の写真を撮ったり、乗車したりする「鉄ちゃん」という熱烈な鉄道ファンがいることはよく知っている。熱烈な飛行機ファンも必ずいるだろうことは容易に想像できる。夕焼けの中をきらきら光る旅客機が飛行機雲を残して飛んでいくのを私も思い出した。私の場合は一瞬の景色だけれど、飛行機ファンである職人さんにとっては留めておきたいシャッターチャンスだったのかも知れない。

撮影できるチャンスなんてそうやたらにないことを経師屋さんは知っていたのだろう。同じような状況はまた来るだろうと思うのが私だけれど、職人さんは作業の休憩時間も無駄にせず、チャンスをつかむための気構えも撮影準備も怠りなかった。全力でチャンスをつかみに行かなくてはいけない。……ということのようだ。

LCA( ライフサイクルアセスメント ) で問題点が見つかったら、それが大きな改善へのチャンスだ。チャンスが現れたら、データを補足してなどと悠長に構えていたらチャンスはすぐに逃げていく。チャンスと捉えたら、すぐに身近な人に伝え、説明することが大切だ。

飛行機があまりにも見事に飛んでいるのに感動したら、その喜びを説明するのはいいことだと思った。私は経師屋さんの趣味が分かり、親近感がわいたし、丁寧な仕事をする人なのではないかと思った。

ものの見方を学んだ。いいアングルとシャッターチャンスを逃さないようにしよう。( L

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    「チャンスなんてそうやたらにない」確かにそう思います。何度もチャンスを逃し悔しい思いをしてきました。だからこそ「全力でチャンスをつかみに行かなくてはいけない」のですね。全く同感ですが、その実行は中々難しいものですね。

    随分前のことになりますが、羽田空港近くの京浜島だったか城南島だったか忘れましたが、飛行機の着陸シーンを間近で見ることができました。とても迫力がありましたが、加えて着陸態勢に入る飛行機の間隔が短いのにも驚きました。

    今は出張で年に数回程度訪れる羽田空港ですが、当時は羽田・蒲田界隈を生活の場としておりましたので、当時のことを懐かしく思い出してしまいました。

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