「チャドクガを退治せよ」 | Sphera Solutions, Japan株式会社


「チャドクガを退治せよ」

庭の隅の山椒は虫に葉を全て食べられている。茎の部分だけが細い棒状に残っている。あの独特の模様のあるアゲハチョウの幼虫にやられたのだ。葉がまったくなくなったこの苗は冬を越せば枯れてしまうだろう。

山椒とアオムシの双方を可愛がりたい人(つまり、お吸い物に入れる食材“木の芽”の風情を賞でる感性があり、アゲハチョウも好きだという人)は一本の木につくムシの数を管理しなくてはならない。アゲハチョウ幼虫牧場のように自由にさせると山椒はあっという間に弱ってしまう。その葉の数と幼虫の食欲をみて適正なバランスにする。

同じように、幼虫の食欲に驚くのはクチナシの木につくアオムシだ。これはオオスカシバの幼虫だ。オオスカシバは蜂のようにも見える羽根が透明な蛾で、すばしこくて捕虫網で捉えることも難しい。この幼虫も食欲旺盛で、食べ方に品がない。だから、クチナシは葉をきれいに食べつくされてしまう。

私は「虫を殺す人間」である。昆虫の好きな人々には申し訳ないけれど、私は、「植物アオムシ戦争」では植物側に立っている。以前イギリスの園芸家はイングリッシュガーデンを世話する際に、葉の一枚一枚まで丁寧にチェックし、虫がいるとアオムシなど指で潰していた。ちょっとびっくりしたけれど、即座に決断しないと虫はゆっくりであるが素早く、周りの景色にとけこんでしまうからだ。

LCA(ライフサイクルアセスメント)に関心がある研究者や設計者はサステナブルな環境に関心を持たれている方々が多いはずだ。データや解析結果を参考に、気になる点は即座に決断し対策を講じているに違いない。さもないと、原因となるアオムシは瞬く間に周りの景色に溶け込んで見つけられず、虫食いだらけの葉の茂みとなってしまう。つまり環境破壊が進行し、サステナブルでなくなる。

アゲハチョウの幼虫やオオスカシバの幼虫は、古い割箸でつまみ取ることができる。だからまだかわいい方だ。しかし、集団で環境破壊する椿や山茶花につくチャドクガの幼虫を見つけたら、「一寸の虫にも五分の魂」などと言っていてはいけない。ドクのある毛も危険だ。即刻絶滅せよ。(C

コメント 1件

  1. skylineR31gts Says:

    それにしても、peasia様のお庭は自然豊かで、いろんな動植物に恵まれているようですね。羨ましいです。

    「植物派か、昆虫派か」ですか、地球の砂漠化の一要因になっていると言われている「ヤギ等の放牧・・・草を食べ尽くす」と同様な問題ですかね。

    日本でも野生のシカが増え過ぎて、森林に被害を及ぼす程になってきていると聞きます。ヤギやシカに罪はないのですが、管理していかないと自然破壊につながってしまうのでしょうね。

    植物と動物とのバランスの点では、地球上で一番大きな問題は、人口の増加、すなわち人間が増え過ぎたことなのかもしれません。 難しい課題ですね。

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